カント(CRDA) Z.501飛行艇

CANT(CRDA) Z.501 Gabbiano

イタリア王立空軍

Z.501
イタリア軍の記章をつけたZ.501

 カント社が長距離飛行のために製作した高翼単葉飛行艇。1934年に完成した1号機は 同年5月にモンファルコーネ〜マッサワ(エリトリア)間4,130キロを26時間35分 で飛行し、長距離飛行記録を樹立した。同年6月にフランスがこの記録を抜いたため、7月 に再度モンファルコーネ〜ベルベラ(ソマリランド)間での記録飛行が行われ、25時間か けて4,930キロを飛行し更なる記録をうち立てている。
 この長距離能力にイタリア空軍も興味を示し、翌35年に機銃座と強力なエンジンを備え た軍用型の発注が行われた。重量が増加した軍用型はエンジン出力強化にもかかわらず最高 速度や航続距離が低下した(原型機や試作機が非常に優秀でも、要望を盛り込んだ量産型に なると急に性能が低下する状況はイタリア機によくあることのようだ)。なお、構造的な問 題から高すぎる速度や重量過多で着水をした場合、エンジンを支える支柱が曲がり、プロペ ラにより胴体や操縦席を破損する事故が時折発生したらしい。
 1936年から部隊運用が始まった軍用型はスペイン内乱で初陣となった。第二次大戦に 参戦する頃には202機が15の部隊で運用されており、主に地中海での哨戒任務に従事し ていたが、既に旧式化していたため参戦初期にフランスやイギリスとの戦闘で多大な損害を 被ることになった。
 損害の多さから前線任務から退き、捜索救難や対潜哨戒に使用されるようになった当機は 戦時中の増産もあってイタリア休戦時には240機が生き残っていた。これらの機体の一部 は枢軸軍側(イタリア共和国空軍:Aeronautica Nazionale Repubblicana)と連合軍側(イ タリア共闘空軍:Aviazione Cobelligerante Italiana)の双方に使用されたが、1945年 頃にはほとんどがスクラップとなった。

機体詳細データ(Z.501)
全長14.30m全高 4.40m
全幅22.50m翼面積62.00m2
自重3,850kg最大重量7,050kg
最高速度245km/h上昇限度7,000m
航続距離2,400km巡航速度不明
発動機イゾッタ・フラスキーニ・アッソ XI RC2C.15 液冷V型12気筒 880馬力×1基
乗員数4〜5名総生産機数454機
武装7.7mm機銃×3(機首、背部後方、主翼上ナセル後方各1)、640kgまでの爆弾・爆雷
一部機体には機首銃座を廃したものがある
主要タイプ Z.501:原型を含む全タイプの呼称