アブロ 685ヨーク輸送機

Avro 685 York

英国空軍

York
英国空軍のヨーク輸送機

 1942年2月、アブロ社の設計チームは ランカスター爆撃機の主翼、尾翼、 エンジン、降着装置を流用して新しい胴体に組み合わせた大型輸送機の設計を完成させた。
 第二次大戦が始まった後に英米間で結ばれた軍事協定には「英国内では戦闘機・爆撃機の生産に集中 し、輸送機は全て米国が製造する」という条項があったが、この機体設計は条項を無視するだけの価値 があると判断した英政府は原型機が初飛行する前に制式発注をおこない、この機体にヨークの名称を与 えた。
 量産型は1943年末から空軍に引き渡しが始まったが、一部の機体はVIPの専用機とされており、 有名なところでは生産3号機がチャーチル首相専用機(アスカロン(Ascalon:聖ジョージが竜退治に使 用した槍)と命名)として、空飛ぶ会議室の様相を持つ機体に改修されているほか、マウントバッテン卿 (東南アジア地域連合軍総司令官)やブルック陸軍元帥(陸軍参謀総長)、グロスター公(ヘンリー王 子(ジョージV世の三男):オーストラリア総督)などにも公式任務用に機体が割り振られている。
 戦後も配備が進められ、最盛期には10個飛行中隊が当機を配備するに至っており、1948年のベ ルリン大空輸などにも参加している。ロールアウト時から民間航空会社へ就航した機体も全生産機のう ち2割ほど存在するが、英軍で使用された機体も一部は民間機へ転換が行われている。

機体詳細データ(ヨーク
全長23.93m全高 5.44m
全幅31.09m翼面積120.49m2
自重19,069kg最大重量31,115kg
最高速度480km/h(高度6,400m)上昇限度7,010m
航続距離4,345km巡航速度338km/h
発動機ロールスロイス「マーリン」XXまたはXXIV 液冷V型12気筒 1,280馬力×4基
乗員数乗員5名+客席50〜56総生産機数257機(258機説あり)
武装武装なし
主要タイプ Avro 685:メーカーでの呼称。軍呼称はヨーク
York Mk.I:生産型の軍呼称。後にYork C.1と改称
York C.II:ブリストル・ハーキュリーズXVIエンジンに換装した試験型(1機改修)