ヤコブレフ Yak−2/Yak−4爆撃機

Yakovlev Yak-2/Yak-4
Яковлева Як-2/Як-4


ソビエト赤軍

Yak-2

Yak-4
Yak−2(上段) / Yak−4(下段)

 1930年代半ばにヤコブレフ(Александр Сергеевич Яковлев)が 当局の命令で開発した双発高速爆撃機。当時のソビエト軍部は対地攻撃、戦術爆撃には短距離爆撃機(BB: ближний бомбардировщик)という機種を使用する思想があり、これを 受けて開発されたものである(同様の思想で開発された機体にBB−1 (後のSu−2)と名付けられた機体がある)。
 1939年に試作機Yak(BB)−22が完成した。この試作機は時速570キロの最高速度や高い上昇率、上昇限度も一 万メートルを超えるなど非常に優秀な機体であったが、反面翼面荷重が高く、また双発爆撃機として使用するには小型 すぎる機体でもあった。機首がプロペラよりも後方に位置するスタイルをしており、高翼面荷重が原因で操縦安定性が 悪く、着陸速度も速すぎる非常に危険な機体であったが、発揮する能力の高さに当局では短距離爆撃機型だけで なく、写真偵察機型や護衛戦闘機型のような発展系も計画し、Yak−2の名称で量産命令が出されることになった。
 ところが量産にあたって当局から指示された航続距離延伸を満たすため、翼内に燃料タンクを増設したのが失敗の始 まりで、増設による重量増加により飛行性能は低下し操縦安定性も更に悪化したため、偵察機や戦闘機への転換という 万能機への夢は消えてしまった。
 当局では高速爆撃機一本に絞りYak−2を少数生産したが、翼内タンクは被弾時に発火する可能性が高く、最前線 の低高度爆撃は自殺行為だとして爆撃任務にも使用できず、結局偵察や連絡など後方任務に使用されたのみであった。
 Yak−2の失敗を挽回するため、改良型として胴体設計を改め後方視界を改善したYak−4が製作された。この 機体も試作機はYak−22同様の高性能を発揮したが、重量増加を伴う改修が施された量産型は性能低下が激しく、 結局使い物にならなかったため、少数機の生産に終わっている(一説ではYak−2およびYak−4合計で201機 と言われている)。

機体詳細データ(Yak−2)
全長 9.34m全高 3.30m
全幅14.00m翼面積29.40m2
自重4,000kg最大重量5,380kg
最高速度515km/h上昇限度8,900m
航続距離800km巡航速度不明
発動機クリモフ M-103 液冷V型12気筒 960馬力×2基
乗員数 3名総生産機数100機未満
武装7.62mm機銃×1(〜3)、爆弾400kg〜600kg搭載
機体詳細データ(Yak−4)
全長10.18m全高 3.30m
全幅14.00m翼面積29.40m2
自重4,000kg最大重量5,845kg
最高速度574km/h上昇限度9,700m
航続距離925km巡航速度不明
発動機クリモフ M-105 液冷V型12気筒 1,100馬力×2基
乗員数 3名総生産機数100機程度
武装7.62mm機銃×2、爆弾400kg〜800kg搭載
主要タイプ Yak-22:原型機呼称。BB-22とも呼ばれる
Yak-2:高速爆撃機型の量産型呼称
R-12:非武装の高速写真偵察機型呼称。計画のみ
I-29:護衛戦闘機型呼称。20mm機関砲×2搭載。計画のみ
BB-22bis:Yak-2改良型試作機の名称
Yak-4:M-105エンジン搭載のBB-22bis量産型呼称