ヤコブレフ Yak−1戦闘機

Yakovlev Yak-1
Яковлева Як-1


ソビエト赤軍 他

Yak1
Yak−1戦闘機(初期型)

 ドイツが1941年6月にソビエトに侵攻したとき、ソ連軍は全くと言っていいほどドイツ軍機に 対抗できる戦闘機を備えていなかった。そのほとんどが旧式機であり、新型機もソビエト機特有の扱い にくさを持った機体だったからである。ヤコブレフ戦闘機も例に漏れず扱いにくい戦闘機ではあったも ののドイツ空軍を敗北に追い込むに際して大きな役割を演じたことは否定できない。
 アレクサンドル・S・ヤコブレフ(А.С.Яковлева)OKB(設計局)の戦闘機開発は19 38年11月から始まり、 メッサーシュミットBf109スーパーマリン・スピットファイアなど の機体を参考にした結果、1940年1月に−26原型機の初飛行に成功している。しかしこれは戦 闘機としては未完成であり、アルミ製燃料パイプの金属疲労による発火や油圧系や機銃の信頼性アップ など解決しなければならない問題がたくさんあった。
 しかもドイツ軍が侵攻し戦局が悪化するに従って生産性も悪化し、当時の専門家の言葉を借りれば 「同じ工場で造られたにもかかわらず、2機続けて全く同じ物は造れない」という状況であった(なお 生産能力の低い日本なども大戦末期は同じような状況だった)。
 だがシネルシチコフの指揮の下に行われたYak−1M計画で、Yak−1の軽量化とエンジン強化 を進めた結果1943年にはドイツ機に対抗しうる機体が前線に配備されるようになっていった。
 その後、当機の発展型やラボーチキンLa−5など が登場すると、これらの機体に順次置き換えられていったが、大戦緒戦に数多くのエースやソ連邦英雄 を生み出した機体として語り継がれる機体である。

機体詳細データ(Yak−1)
全長 8.48m全高 2.64m
全幅10.00m翼面積17.15m2
自重2,347kg最大重量2,847kg
最高速度540km/h上昇限度10,000m
航続距離 700km巡航速度不明
発動機クリモフ VK-105P 液冷V型12気筒 1,050馬力×1基
乗員数 1名総生産機数8,700機以上(8,721機説あり)
武装7.62mm機銃×2、20mm機関砲×1、主翼下に100kg爆弾×2または82mm無誘導ロケット弾×4
機体詳細データ(Yak−1M)
全長 8.48m全高 2.90m
全幅10.00m翼面積17.15m2
自重2,070kg最大重量2,600kg
最高速度613km/h(高度3,200m)上昇限度10,700m
航続距離 710km巡航速度不明
発動機クリモフ VK-105PF 液冷V型12気筒 1,180馬力×1基
乗員数 1名総生産機数上記参照
武装12.7mm機銃×1、20mm機関砲×1、主翼下に100kg爆弾×2または82mm無誘導ロケット弾×4
主要タイプ Ya-26:最初の原型機案。I-26として具体化した。主翼下に冷却器装備
I-26:原型機。冷却器の位置をエンジン下部に移動した(3機)
Yak-1:初期型。VK-105P又はPAエンジン搭載。20mm機関砲×1、7.62mm機銃×2(800機以上)
Yak-1B:改良型。後方視界を改善、M-105PFエンジンに換装。7.62mm機銃を12.7mm機銃に換装
Yak-1M-105PF:M-105PFエンジン(1,180hp)搭載の軽量強化型。Yak-1Mの原型となった
Yak-1M-106P:M-1061skエンジン(1,350hp)搭載の出力強化型。試作のみ
Yak-1M:軽量型の生産モデル。VK-105PFエンジン搭載。尾輪を引き込み式に改善、12.7mm機銃を1丁に減
Yak-1M-107A:M-107A(VK-107A)エンジン(1,650hp)搭載の強化型。試作のみ
Yak-1M-105PF2:Yak-1Mの機体にM-105PF2エンジン(1,300hp)搭載した軽量強化型。Yak-3の原型となった