マーチン XPB2M/JRMマーズ飛行艇

Martin XPB2M / JRM "Mars"

合衆国海軍航空隊

XPB2M-1

JRM-2
(上段)XPB2M−1原型機 / (下段)JRM−2マーズ

 第二次大戦開戦後に米海軍は爆撃任務もこなせる大型長距離哨戒飛行艇の開発をマーチン社に 指示し、同社はPBMマリナー飛行艇の 拡大型を設計、原型機XPB2M−1を1941年8月に完成させた。この原型機は一万ポンド (4,536キログラム)までの爆弾・爆雷もしくは航空魚雷を搭載できる能力を持っていたが、 防弾装備の不足から戦闘任務に堪えられないとして、輸送飛行艇XPB2M−1Rへと計画変更 された(輸送型の原型初飛行は1943年)。ちなみに原型機では双垂直尾翼だったが、量産型 は単垂直尾翼に変更されている。
 米海軍は輸送型20機を発注し1945年7月に最初の機体が納入されたが、すぐに戦争終結 となり、また量産型1号機「ハワイ・マーズ(Hawaii Mars)」号が同年8月にチェサピーク湾で 遭難したこともあって、初期型(JRM−1)5機と出力強化型(JRM−2)1機が完成した だけで残りはキャンセルとなった。
 順次完成した機体は全機が米本土西海岸とハワイ方面を結ぶ輸送任務に従事したが、能力の高 い陸上大型輸送機が就役してきたため1956年に全機退役となった。
 その後スクラップとして売りだされた4機(2機は1950年(4号機が出火墜落事故)およ び1962年(最終機が空港にて暴風損傷)に失われた)は民間企業が購入し、森林火災用の消 防機へ改造され現在も活躍している。

機体詳細データ(JRM−2)
全長35.74m全高11.70m
全幅60.96m翼面積342.40m2
自重34,300kg最大重量65,317kg
最高速度360km/h上昇限度4,450m
航続距離10,800km巡航速度346km/h
発動機プラット&ホイットニー R-4360-4T「ワスプメジャー」 空冷星形複列28気筒 3,000馬力×4基
乗員数乗員7〜13名+最大301名の
乗客または武装降下兵133名
総生産機数7機
武装武装なし(13.6トンの貨物を搭載可能)
主要タイプ XPB2M-1:爆撃哨戒飛行艇原型。R-3350エンジン(2,200hp)搭載。爆弾10,000lb+7.62mm機銃×3(1機)
XPB2M-1R:非武装の輸送飛行艇に改修された原型機の呼称。貨物搭載量7.3トン
JRM-1:最初の生産型。R-3350エンジン搭載。貨物搭載量8トン(5機)
JRM-2:出力強化型。R-4360エンジン搭載。スペックは上記参照(1機)
JRM-3:水投下用の消防機に改修されたJRM-1の呼称(4機改修)