ダグラス XB−19試作爆撃機

Douglas XB-19

合衆国陸軍航空隊

XB-19A
XB−19原型機

 1934年に米陸軍航空隊装備部は、アラスカ・ハワイ・パナマ等に展開する陸軍部隊を支援する ため、本土から各地へ往復できる長距離爆撃機として「プロジェクトA」仕様書を発行した。この仕 様書によると約1tの爆弾を搭載して、時速322km/hで8,000km以上の航続距離を持つことが 要求されていたが、当時の各航空機メーカーは大西洋横断定期輸送機開発にしのぎを削っており、そ れを未だ完成させることが出来ないでいた時代背景を考えると、かなり無謀かつ欲張った要求である と言えよう。
 この仕様書に従ってボーイング社とダグラス社は原型機の提案をおこない、それぞれXBLR (Experience Bomber Long Range:試作長距離爆撃機の略)−1、 XBLR−2の呼称で発注が行われた。ボーイング社の提案は後に XB−15と呼称された機体であ るが、ダグラス社提案はボーイング社提案よりもかなり大型の機体で、後にXB−19の呼称が与え られた。
 1941年にXB−19原型機が完成したとき、この機体は当時最大の航空機であり爆弾搭載量も 16,000kgと大きなものであった。しかしその大きな機体が災いして、任務をこなすための性能 を発揮できるエンジンが無く、馬力不足(といっても2,000馬力級だったが)のサイクロン系エ ンジンで初飛行を行った。
 後にアリスンV-3420二連装エンジン(V12型のアリソンV-1710を2基連結したもの。エンジンの型式 番号が1710を2倍したものである点に注目)が完成したときに、このエンジンに換装してXB−19Aとなっ たが、すでに長距離爆撃機として更に高性能な機体である B−29の就役が決定していたため当機 の量産はおこなわれず、原型機もXB−19Aの呼称のまま輸送任務に従事し、1949年頃まで使用された。

機体詳細データ(XB−19)
全長40.23m全高13.03m
全幅64.62m翼面積417.31m2
自重39,010kg最大重量63,500kg
最高速度360km/h(高度4,785m)上昇限度7,010m
航続距離8,370km巡航速度217km/h
発動機ライト R-3350-5「サイクロン」空冷星形18気筒 2,000馬力×4基
乗員数18名総生産機数1機
武装7.62mm機銃×6、12.7mm機銃×5、37mm機関砲×2、爆弾最大36,000lb(16,329kg)
機体詳細データ(XB−19A/上記と異なる項目のみ掲載)
自重41,910kg最大重量63,600kg
最高速度426km/h(高度6,096m)上昇限度11,887m
航続距離6,760km巡航速度297km/h
発動機アリソン V-3420-11 液冷連結V形24気筒 2,600馬力×4基
主要タイプ XB-19:最初の原型。R-3350-5エンジン(2,000hp)搭載
XB-19A:原型改良型。V-3420-11二連装エンジン(2,600hp)搭載。輸送任務に使用