マーチン XA−22/メリーランド攻撃機

Martin XA-22 / Maryland

米国陸軍/英国空軍 他

XA-22
米陸軍で審査中のXA−22原型機

 米陸軍航空隊が出した仕様書に基づいて設計された双発攻撃機。米陸軍ではXA−22と 名付けられた当機は片持ち中翼の大きな主翼を持ち、尾輪式引き込み脚の3座機であったが、 1939年3月に初飛行した原型機による審査に不合格となってしまった。
 しかしマーチン社では原型機が初飛行しないうちから海外顧客の獲得に乗りだしており、 フランスから115機の生産契約を受けていた(社内呼称でモデル167Fと名付けられた)。 米国の武器禁輸政策により機体納入は1939年10月まで引き延ばされたものの、フラン スは追加発注を行い最終的に215機の発注となった。だがフランスがドイツに降伏するま でに納入できたのは約140機ほどであった。大戦初期には枢軸軍への攻撃に使用された当 機だったが、フランス降伏後はビシー政権の元で連合軍に対して牙を剥いた。
 フランスが降伏したため宙に浮いた形となった未決済分75機は英軍への供与機として割 り当てられ、メリーランドの名で英軍へ引き渡された。英軍ではこの機体を気に入り、さら に強力なエンジンを搭載した改良型の追加発注を行ったほどである。英軍では当機を長距離 偵察や標的曳航、軽爆撃などの任務に従事させており、英軍が受領した機体のうち一部は南 アフリカへ譲渡されてもいる。主翼に搭載された固定武装は米軍規格の7.62ミリ口径ブ ローニング機銃であったが、銃座には英軍の7.7ミリ口径ヴィッカース機銃が搭載された ため二種類の弾薬が必要となり、補給に若干の手間がかかる機体であった。
 特筆すべき功績としては1940年11月のタラント軍港攻撃に先立つ偵察や1941年 5月のドイツ戦艦ビスマルク 追撃戦などがある。

機体詳細データ(メリーランドMk.II【改良型】)
全長14.22m全高 4.57m
全幅18.69m翼面積50.03m2
自重5,090kg最大重量7,600kg
最高速度447km/h(高度3,600m)上昇限度7,900m
航続距離1,700km巡航速度不明
発動機プラット&ホイットニー R-1830-S3C4G 空冷星形複列14気筒 1,200馬力×2基
乗員数3名総生産機数約370機(450機説あり)
武装7.62mm機銃×4(前方固定)、7.7mm機銃×1〜2(銃座)、爆弾最大2,000lb(907kg)
主要タイプ Model 167:当機の社内呼称(総称)
XA-22:米陸軍における名称。原型機のみ。採用されず
Model 167F:フランス向け機体の名称。P&W R-1830-SC3Gエンジン(1,050hp)搭載
Martin167A-3:Model 167Fのフランス軍内呼称
Maryland Mk.I:英国へ供与された機体。Model 167Fと同じ機体
Maryland Mk.II:英国発注の改良型。P&W R-1830-S3C4Gエンジン(1,200hp)搭載