ビッカース ウェルズリ軽爆撃/偵察機

Vickers Wellsley

英国空軍

Wellsley
英国空軍のウェルズリMk.

 汎用爆撃機を求め英航空省が出した仕様書G.4/31に基づいて開発された機体。この仕様書は「汎 用」と銘打つだけあって、水平爆撃のほかに急降下爆撃や地上支援(直協)、偵察、負傷兵後送、果ては 雷撃までこなせる機体を要求したものであった。この仕様書に応えてビッカース社だけでなくフェアリ社、 ウェストランド社、ハンドリ・ページ社、アームストロング・ホイットワース社、ブラックバーン社、ホー カー社、パーナル社といった英国の各航空機メーカーがこぞって設計案を提出した。
 ビッカース社はバーンズ・ウォリス(Barnes Wallis:イギリスの科学者・技術者。第二次大戦中にダム を破壊するための跳躍爆弾(bouncing bomb)を提案したり、超大型爆弾(トールボーイやグランドスラム) の開発にたずさわり、戦後は可変翼の研究を行っている)が飛行船用に開発した軽合金大圏構造(曲面最短 距離線に部材を配置した構造)を機体構造に使用し、他者の設計案を退け150機の生産契約を得ることが できた(当機が大圏構造を利用した最初の量産機となった)。
 原型1号機は1935年6月に初飛行、英軍の試験飛行でも優秀な成績を収めたが、なぜか英軍は汎用機 としての試験を行わず、最終的に爆撃・偵察機としてだけ利用することになったため、航空省は軽爆撃/偵 察機としての仕様書22/35を再発行し、ウェルズリの名前を付けて制式採用とした。
 量産型は1938年11月にエジプト〜オーストラリア間の無着陸飛行に成功するなど、国際記録を塗り 替える性能を見せたが、第二次大戦が始まった頃には本国部隊から退き海外植民地などへ展開する部隊へ配 備されるようになっており、主に中東方面で活躍している。

機体詳細データ(ウェルズリMk.
全長11.96m全高 3.76m
全幅22.73m翼面積58.53m2
自重2,889kg最大重量4,990kg
最高速度367km/h上昇限度10,058m
航続距離1,786km巡航速度不明
発動機ブリストル「ペガサス」XX 空冷星形9気筒 925馬力×1基
乗員数 2名総生産機数176機
武装7.7mm機銃×2(前方固定、後方旋回各1)、2,000lb(907kg)までの爆弾
主要タイプ Type281:最初の仕様書に基づいた原型機の社内モデル名
Wellesley Mk.I:初期生産型。社内モデル名はType287
Wellesley Mk.II:後期生産型。操縦席風防が前後に繋がった形へ変更された