ビッカース ワーウィック哨戒/救難機

Vickers Warwick

英国空軍 他

Warwick ASR.1
英国空軍のワーウィックASR Mk.(胴体下に装備した投下式救難艇に注目)

 英航空省が1935年に出した双発爆撃機を求める仕様書B.1/35に基づき設計された機体。同仕様書に よる試作設計は他にエアスピード社、アームストロング・ホイットワース社、ハンドリ・ページ社も参加してい るが、翌年英軍が「今後採用する重爆撃機は4発機とする」方針をとったため、試作設計はキャンセルとなった。
 試作命令はキャンセルとなったものの、ビッカース社はエンジンの異なる2機の原型機を完成させた。1機は ロールスロイス・ヴァルチャーエンジンを搭載した機体、もう1機はP&Wダブルワスプエンジンを搭載した機 体であった。機体は同社のウェルズリウェリントンと同様大圏構造(曲面最短距離 線に部材を配置した構造)を持っており、また元が重爆撃機として設計されただけに8門もの自衛用火器が搭載さ れていた。
 第二次大戦が始まると英空軍は当機を沿岸哨戒機として使用するため発注を行った(量産化されたのは問題の多 いバルチャーエンジン搭載機ではなく、空冷のP&Wエンジン搭載型のみだった)。哨戒機としてそれなりに優秀 な機体であったが、元重爆撃機の大きな搭載能力を生かした任務では無かったため、1943年になって当機に搭 載できる投下型救難艇(有名なヨット設計者であるウファ・フォックス(Uffa Fox)が設計したもので、4馬力の 船外機2基を搭載していた)が完成して海洋救難任務に従事するようになってからが当機の本領発揮であった。 この救難艇は高度320メートルからパラシュート投下され、洋上に漂流する墜落した航空機乗員の救助に使用さ れた。
 第二次大戦末期には爆撃行で傷つき洋上に墜落した重爆撃機や空挺グライダーから脱出した搭乗員達を多く助け たが、第二次大戦が終了するとその任務の特殊性から余剰機となり、順次退役していった。

機体詳細データ(ワーウィックMk.
全長22.02m全高 5.64m
全幅29.46m翼面積93.46m2
自重16,057kg最大重量17,237kg
最高速度393km/h上昇限度5,791m
航続距離3,199km巡航速度不明
発動機プラット&ホイットニー R-2800/S.1A4-G「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒 1,850馬力×2基
乗員数 6名総生産機数845機
武装7.7mm機銃×8(機首、胴体上方各2、尾部4)
主要タイプ Type284:原型機。液冷エンジン(1,800hp)と空冷エンジン(1,850hp)の2タイプがある(3機)
Warwick B Mk.I:最初の生産型。各種試験に使用された16機と以下の機体へ改修されたものがある
Warwick C Mk.I:輸送機型。民間モデル(Type456)はBOAC(英国海外航空)社に使用された(B Mk.Iから14機)
Warwick B/ASR Mk.I:最初の捜索救難型。投下型救難艇2艘を搭載可能(B Mk.Iから40機)
Warwick ASR(StageA):捜索救難機型。リンドホーム救難装備2セット搭載(B Mk.Iから10機)
Warwick ASR(StageB):捜索救難機型。リンドホーム救難装備2セットと投下型救難艇1艘搭載(B Mk.Iから20機)
Warwick ASR Mk.I:当初から捜索救難機型として製造された最初のモデル。ASR(StageB)に準ずる(205機)
Warwick GR Mk.II:対潜哨戒機型。ブリストル・セントーラスVIエンジン(2,300hp)搭載(原型1+118機)
Warwick GR Mk.II Met:GR Mk.IIの気象偵察型(14機)
Warwick C Mk.III:輸送機型。有償荷重45,000lb(20,412kg)もしくは24名の兵員を搭載可能(100機)
Warwick ASR Mk.IV:捜索救難機型の最終モデル。R-2800-47エンジン(2,000hp)搭載(94機)
Warwick GR Mk.V:対潜哨戒機型の最終モデル。セントーラスVIIエンジン(2,400hp)搭載(210機)