ロッキード ベンチュラ/ハープーン哨戒爆撃機

Lockheed Ventura/Harpoon

合衆国海軍航空隊 他

PV-1
米国海軍所属のPV−1海洋哨戒機

 ロッキード社が民間向けとして製作したスーパーエレクトラ旅客機を軍用に転用した ハドソン哨戒爆撃機は英国空軍に供与 され成功を収めた。そこでロッキード社では、さらに大型のロードスター輸送機をベースとした軍 用モデル(社内名称モデル37)の開発を開始、1940年に英国空軍からの発注を受けベンチュ ラと名付けられた。
 ハドソンよりも大型で強力なエンジンを搭載していたため、より有効な武装と大きな搭載量を発 揮して高い能力を示すだろうと期待されたが、1942年11月に実戦配備が開始されるとすぐに 機動性の悪さから昼間爆撃任務には向かないことが判明、沿岸司令部の哨戒任務へと回されること になってしまった。
 それでも当機は武器貸与法のおかげで大量に生産され、英連邦や自由フランスなどに配備されて おり、また米陸軍ではB−34レキシントンと名付けられた機体を爆撃や偵察任務に使用しており、 米海軍でもPV−1ベンチュラの名で海洋哨戒機として使用し、長距離型PV−2(全幅や主翼面 積を拡大、外部燃料タンクを追加)が開発されるとハープーンと名付けてもいる。
 戦後余剰となったPV−2ハープーンはイタリアや日本、オランダ、ペルーなどに供与されてい る。
 ※元は英国への供与向けであった機体だが、最も多くの機体(総生産数の半数以上)を運用した のはアメリカ海軍であるため、このページでは米軍機として紹介した。

機体詳細データ(米海軍PV−1ベンチュラ)
全長15.77m全高 3.63m
全幅19.96m翼面積51.19m2
自重9,160kg最大重量14,100kg
最高速度518km/h(高度4,200m)上昇限度8,000m
航続距離2,200km巡航速度370km/h
発動機プラット&ホイットニー R-2800-31 空冷星形18気筒 2,000馬力×2基
乗員数7名総生産機数3,028機(3,084機説あり)
武装7.62mm機銃×2、12.7mm機銃×4、航空魚雷×1または1,360kgまでの爆弾等
主要タイプ Model 18:ベースとなった民間輸送機、スーパーエレクトラの胴体延長モデル。愛称はロードスター
Ventura Mk.I:英国発注の初期生産型。P&W S1A-4-Gエンジン(1,850hp)搭載
Ventura GR.Mk I:英国沿岸司令部へ移管された後のMk.Iの名称
Ventura Mk.II:P&W R-2800エンジン(2,000hp)搭載の出力強化型。爆弾倉拡大
Ventura Mk.IIA:Mk.IIに似るが搭載武装が若干異なる機体
Ventura GR.Mk V:英国沿岸司令部向け。米海軍PV-1と同等の機体
Ventura C.Mk V:輸送機型(非武装)に改装されたGR.Mk Vの名称
B-34:供与用Mk.IIAを米陸軍が徴用した機体の名称。後にRB-34と改称
B-34A:B-34同様に米陸軍が徴用した機体。練習機として使用。後にRB-34Aと改称
B-34B:B-34同様に米陸軍が徴用した機体。航法練習機として使用。後にRB-34Bと改称
B-37:米陸軍発注モデル。ライトR-2600エンジン(1,700hp)搭載。少数生産で契約中止
PV-1:米海軍発注モデル。Ventura Mk.IIに似るが防御武装を減じ魚雷搭載能力を付加
PV-1P:写真偵察用に改造されたPV-1の名称
PV-2:米海軍向け改良型。搭載燃料を増加させた長距離型。愛称はハープーン
PV-2C:PV-2初期生産型を改修後、練習用とした機体の名称
PV-2D:PV-2に似るが搭載武装が異なるモデル。大戦終結のため少数生産で契約破棄
PV-2T:非武装練習型に改造されたPV-2の名称
PV-3:供与用Ventura Mk.IIを米海軍が徴用した機体の名称