VEF −16戦闘機

VEF(Valsts Elektrotehniskā Fabrika) I-16

ラトビア/ドイツ空軍

I-16
−16原型機(独軍管理下で試験実施中の写真)

 1920年にソビエトから独立した東欧の小国ラトビアにて、国内随一の航空機開発者カーリス・ イルビッツ(Karlis Irbitis:戦後はカナデア社の責任ある地位についた)が設計した軽戦闘機。
 1938年から開発が始まり、木製構造・固定脚低翼単葉の原型機は1940年春に初飛行した。 当機の特徴としては操縦装置の構造があり、コクピットと操縦装置が1つのユニットとして製作され ているため、別に製造した機体にコクピットごと搭載(たった6本のボルトで固定されるだけ)する ことが可能となっていた。
 初飛行の際にエンジン不調のため不時着し損傷を負ったが、この問題は解決し数回の飛行試験を行っ た。だが1940年6月にソビエトがラトビアを併合したため開発は中断することとなった。1年後に 今度はドイツ軍が侵攻して来ると、独軍の管理下において飛行試験の実施が認められるようになった (現在まで残っている当機の写真や資料などはラトビア時代よりも独軍管理下のものが圧倒的に多い)。
 再度ソビエト軍が侵攻してきた1944年以降、この機体がどうなったかの消息は残されていない。
 余談ではあるが、当機の製作を担当したVEF社はラトビアを代表する機械メーカーであり、航空機 の他にも小型カメラ『ミノックス』(戦後は製造権が売却され西ドイツにて製造)やラジオなどの電化 製品(主にソビエト向け)を製造していたが、共産体制の崩壊とともに西側の優れた製品との競争に敗 れ、現在は小規模の会社に分割・縮小している。

機体詳細データ(−16:一部数値は推定値)
全長 7.30m全高 2.40m
全幅 8.23m翼面積11.43m2
自重1,100kg最大重量1,540kg
最高速度483km/h上昇限度8,000m
航続距離700km巡航速度不明
発動機ヴァルター サジッタI-SR空冷V型12気筒 520馬力×1基
乗員数1名総生産機数1機
武装7.62mm機銃×2(胴体内)、20mm機関砲×2(主翼下)
※原型機は武装なしのため上記武装は計画値
主要タイプ I-16:当機の呼称。原型機のみ製作