ヴァルティ V−1A(旅客)輸送機

Vultee V-1A

スペイン国家主義政党軍/共和政府軍

V-1A
米NACAで試験されるV−1A原型機(Photo NIX(NASA Image Exchange)所蔵)

 エアプレーン・デベロップメント・コーポレーション[Airplane Development Corporation]社(ヴァルティ社の前身) の主任設計者であるジェラルド・ヴァルティ[Gerard "Jerry" Vultee]が設計した全金属製応力外皮モノコック構造の 旅客輸送機。原型であるV−1は6名の乗客(+1名の操縦員)が搭乗できる機体で、当時としては最新技術だっ た完全な引込脚を装備していたため注目を浴びた。
 1933年2月に原型機が初飛行したが、その後量産された機体は胴体を若干拡大し乗客8名(+操縦員2名)が 搭乗できるようになっていたためV−1Aの名称が与えられることになり、36年までに24機が生産された。
 量産型8機と操縦席を複座に改修した原型機を1934年にアメリカン航空[American Airlines]社が購入したが、 同社はすぐに主力機を(安全性を求めて)双発の機体(DC−3(C−47の 基となった民間モデル)に変更したため、同社保有の機体は格安で売却されることになった。このとき売却された量 産型8機は法人や富豪などに購入されたものの、紆余曲折を経て内乱中のスペインで集合を果たすことになった。
 フランコ率いる国家主義政党は1機を入手して輸送任務に使用し、残りの7機は共和政府軍が入手することなった。 共和政府軍では自衛用に4〜5丁の機銃で武装され、胴体下に軽爆弾用の懸吊架を装備して爆撃任務にも従事してい る。その後内乱が終結した際に、生き残っていた共和政府軍の機体4機は国家主義者軍に捕らえられている。

機体詳細データ(V−1A(旅客機での性能))
全長11.28m全高 3.10m
全幅15.24m翼面積35.67m2
自重2,407kg最大重量3,856kg
最高速度362km/h上昇限度6,096m
航続距離1,609km巡航速度330km/h
発動機ライトSR-1820-F2「サイクロン」空冷星形9気筒 750馬力×1基
乗員数2名+乗客8名総生産機数24機+原型1機
武装武装なし(スペイン共和政府軍では機銃×4〜5および75kg爆弾×8を装備)
主要タイプ V-1:原型機。SR-1820エンジン(650hp)搭載(1機)
V-1A:量産型。原型より胴体拡大。SR-1820-F2エンジン搭載(24機)
V-1AD:長距離冒険飛行のため改造されたV-1Aの非公式名称。後にスペイン国家主義政党軍が入手
V-1AS:ソビエトへ売却されたV-1Aの非公式名称。双フロートを追加装備