ヤコブレフ UT−2練習機

Yakovlev UT-2
Яковлева УТ-2


ソビエト赤軍

UT-2M

UT-2L
(上段)UT−2M/(下段)UT−2L

 ソビエト赤軍は旧式化したポリカルポフU−2練習機を 更新するため、1930年代になってヤコブレフの設計チームに新型練習機の開発を指示した。 最初はAIR(АИР)−9と名付けられた低翼単葉の密閉式風防を持つ機体が1933年に開発された(名 称は主任技術者であったアレクセイ・I・ルイコフ(Алексея Ивановича Рыков) から取られた)が、この機体は基本練習機とするには複雑かつ高級すぎるとの見解から採用されなかっ た。その後35年にAIR−10と名付けられた開放式操縦席を持ち構造を単純にした機体が完成し、 この機体が暫定的にYa(Я)−20の名称を与えられ採用となった(ルイコフが粛清のため投獄(1938 年に処刑)されたこともあって政治的に無難な名称を付けたとの説がある)。
 生産性を高めるため更に単純化した原型機が1937年に完成し、同年9月には量産が開始された。 名称はUT(УТучебно-тренировочный/基本練習機の略)−2 と改称された。
 ソビエト赤軍の基本的な練習機として大量に配備が行われたが、操縦は意外と難しい機体であった と伝えられる。戦後の1946年頃まで生産が続けられたが、その後は発展改良型の Yak−18へ移行して いった。また戦後ソビエトの衛星国となった東欧諸国では1950年代まで使用されている。

機体詳細データ(UT−2)
全長 7.15m全高 2.99m
全幅10.20m翼面積17.12m2
自重 628kg最大重量 940kg
最高速度210km/h上昇限度3,500m
航続距離 500km巡航速度不明
発動機シュベツォフ M-11G 空冷星形5気筒 110馬力×1基
乗員数 2名総生産機数7,243機
武装武装なし
主要タイプ AIR-10:後にYa-20と改称された原型機。M-11Eエンジン(150hp)搭載
UT-2:初期生産型。M-11Gエンジン搭載。開放式操縦席
UT-2(1940):操縦安定性を高めた改良型。M-11Dエンジン(125hp)搭載
UT-2L:UT-2の機体に密閉式操縦席を持つモデル
UT-2M:安定性改善と生産性向上を行った改良型
UT-2MV:UT-2Mの機体に密閉式操縦席を持つモデル
VT-2:双フロート式降着装置を持つ水上練習機型。生産数は少数
AIR-20:ルノー・ベンガリエンジン(140hp)搭載の試作機。量産されず