フォッカー TV爆撃機

Fokker T5

オランダ空軍

T5
オランダ空軍唯一の爆撃飛行隊に所属するフォッカーTV爆撃機

 オランダ空軍が航空攻撃力の増強のため1937年始めに発注した中型爆撃機フォッカーTVは、 原型試作機を作らずに最初から生産機を製造したので、同年10月には1号機が完成しオランダ空 軍へと納入された。当初の機体開発コンセプトは「爆撃にも使える双発多座追撃機」 (英ブレニウムや 米YFM−1などと同様の機体) であったため、機首部に20ミリ機関砲を持つ銃座が装備されており、1,000馬力級エンジン 2基により時速400キロメートル以上の性能を発揮できた。
 この爆撃機はオランダ空軍唯一の爆撃飛行隊に配備されたが、少々飛行が不安定で扱いにくいと ころのある機体であることが判明した。それでもしっかりした防備武装を配置し胴体内へ爆弾を収 納するオランダ初の本格的爆撃機であった。
 1940年にドイツ軍がオランダへ侵攻したときには空軍が発注していた16機全てが納入済み だったのだが、実際に稼動できる機体は9機しかなかった。だが、この限られた機体たちは勇敢に 戦い、ワールハーベン飛行場やマース川に架かる橋などを爆撃してドイツ軍に激しい攻撃を浴びせ たのだった。
 しかし多勢に無勢で当機は次々と撃墜・破壊され(オランダ軍に誤射された機体が2機あった)、 結局オランダが降伏したときに生き残っていたTVは1機しか無かった。生存性が低かった理由の ひとつに、燃料タンクの漏れ止め装備が無かったことが挙げられており、銃弾が命中すると簡単に 火を噴く機体であったと伝えられている。

機体詳細データ(TV)
全長16.00m全高 5.00m
全幅21.00m翼面積66.20m2
自重4,640kg最大重量7,240kg
最高速度415km/h(高度3,050m)上昇限度7,700m
航続距離1,630km巡航速度350km/h
発動機ブリストル「ペガサス」XXVI 空冷星形9気筒 925馬力×2基
乗員数 5名総生産機数 16機
武装20mm機関砲×1(機首銃座)、7.9mm機銃×5、爆弾最大1,000kg
(爆撃飛行隊配備後機首銃座を7.9mm機銃搭載に変更した機体もある)
主要タイプ T V:生産型。原型機は製作されず