ツポレフ Tu−2爆撃機

Tupolev Tu-2
Туполев ТУ-2


ソビエト赤軍

Tu-2sh
Tu−2sh(地上襲撃機型)

 ソビエト大型爆撃機の代名詞ともなっているツポレフ設計局の創始者であるアンドレイ・ツポ レフが設計した中型爆撃機。
 当機を設計したときツポレフは獄中に拘禁されていた。ドイツに最新型機の設計を渡そうとし たという無実の容疑であったが、このような無実の罪での投獄はスターリンの恐怖政治時代では 政敵を追い落とすためによく行われたことのようである。
 拘禁中だったツポレフに対しスターリンは爆撃機の設計を命令した。獄中のため部品設計者や エンジン設計者との連絡もままならない厳しい状況であったが、ツポレフは機体103号と呼ば れた原型機を完成させた。この103号という番号は当局が勝手に付けた番号であったが、ツポ レフが拘禁されていた房の番号も103号であり、ツポレフ自身は不思議な因縁であったと後に 語ったという。
 1940年5月には改良型の103Uが飛行し、1942年から生産型である103Sがソビ エト空軍に就役した(1943年にTu−2と改称された)。
 製造工場での問題発生などで第二次大戦中にはTu−2(とその派生型)は1,000機ほど しか生産されなかったが戦後も生産は続き、朝鮮戦争でも使用されたほか東欧のソ連同盟国にも 多数が配備されている。
 NATO(北大西洋条約機構)軍は当機に「バット」(こうもり)とコード名を付与している。

機体詳細データ(Tu−2(ANT−61))
全長13.80m全高 4.13m
全幅18.86m翼面積48.52m2
自重7,601kg最大重量11,768kg
最高速度521km/h上昇限度9,000m
航続距離2,000km巡航速度400km/h台中盤
発動機シュベツォフ ASh-82FNV 空冷星形複列14気筒 1,850馬力×2基
乗員数 4名総生産機数(下記参照)
武装7.62mm機銃×3、12.7mm機銃×1、20mm機関砲×2、
爆弾最大3,000kg(通常は1,000〜2,000kg)
機体詳細データ(Tu−2S)
全長13.80m全高 4.55m
全幅18.86m翼面積48.80m2
自重7,470kg最大重量11,400kg
最高速度550km/h上昇限度9,500m
航続距離1,400km巡航速度400km/h台中盤
発動機シュベツォフ ASh-82FNV 空冷星形複列14気筒 1,850馬力×2基
乗員数 4名総生産機数2,527機
武装12.7mm機銃×3、20mm機関砲×2、爆弾最大4,000kg(通常は2,000kg)
主要タイプ ANT-58:最初の原型機。機体103号とも呼称。3座。AM-37エンジン搭載
ANT-59:改良型原型機。機体103Uとも呼称。4座。ASh-82エンジン搭載
ANT-60:簡略化された生産原型。機体103Vとも呼称
ANT-61:初期生産型。機体103Sとも呼称。ASh-82FNVエンジン搭載
ANT-62:Tu-2Dとも呼称される長距離型。3座。全幅拡大、燃料タンク拡大
ANT-62T:全幅を拡大した雷撃機型
ANT-63:Tu-2SDBとも呼称される高速昼間爆撃機原型。出力強化
ANT-63P:Tu-1とも呼称される長距離掩護機型。37mm/20mm機関砲を装備
ANT-65:Tu-2DBとも呼称される発展型長距離爆撃機。AM-44Kエンジン(2,200hp)
ANT-67:ANT-62(Tu-2D)から発展した長距離機。ACh-39BFディーゼルエンジン
ANT-68:AM-39FN-2エンジン搭載。機体補強した第二世代機。Tu-10とも呼称
ANT-69:Tu-8とも呼称される長距離爆撃機。5座。ASh-82FNエンジン。爆弾4,500kg
Tu-2S:1943年以降の爆撃機生産型呼称。ANT-61より簡素化された
Tu-2/104:レーダーを搭載した複座夜間戦闘機型。23mm機関砲×2
Tu-2/18/11:高揚力フラップ搭載のSTOL実験機。詳細なデータは残ってない
Tu-2Sh:地上攻撃型。後期型は45mm砲×2、37mm機関砲×2など強力な武装を持つ
Tu-2K:1944年に製作された射出座席試験機
Tu-2G:外部につるした貨物のパラシュート投下用に改修された機体
Tu-2N:RR社製ニーンエンジンの飛行試験用機体。爆弾倉を燃料タンクに改修
Tu-2T:航空魚雷を搭載する雷撃機型。胴体内爆弾倉は燃料タンクに改修
Tu-2R:偵察機型。Tu-2FやTu-6と呼称される偵察機型も存在する
Tu-2RShR:57mm砲を搭載した機体。砲の再装填は無線士がおこなった
UTB:極めて簡素化された練習機型。ASh-21エンジン(700hp)搭載