ヴォートTBU(コンソリデーテッドTBY)シーウルフ艦上攻撃機

Vought TBU / Consolodeted TBY "Sea Wolf"

合衆国海軍航空隊

TBY
コンソリデーテッド社製造のTBY

 1939年に米海軍はダグラスTBD艦上攻撃機の 後継機開発を航空機メーカーに対して要求、競争試作を行った。提示された条件は『最高速度480km/h以上、800 キログラム以上の爆弾又は航空魚雷を搭載、後方上下に防御銃座』という過酷な条件であったが、計13社から設計案の 提出があり、そのうちグラマン社とヴォート社の案が採用され試作機の開発契約が結ばれることになった。
 ヴォート社の試作原型機XTBUはグラマン社の試作原型XTBFに4ヶ月遅れて1941年12月に初飛行した。 XTBUはXTBFに比べ強力なエンジンを搭載していたため、XTBFよりも最高速度や到達高度に勝り、さらに優れ た運動性能を持つ機体であったが、日独に対して宣戦布告した米軍は早急にTBDの後継機を調達する必要に迫られてお り、遅れて登場したXTBUの試験結果を待たずにグラマン社の機体をTBFの 名称で制式採用してしまった。またXTBUは米陸海軍の次期主力戦闘機となる P−47F6Fと 同じR−2800エンジンを採用していたので、エンジンの製造に余裕がなかった点でも採用に不利な状況であった。
 大戦も中盤にさしかかった1943年になって、ヴォート社は米海軍から急遽1,100機もの量産命令を下された。しかし その時点でヴォート社はF4Uの量産で手一杯だった ため、生産はコンソリデーテッド社が(TBYの機体名称で)行うこととなった。
 コンソリデーテッド社も生産能力に余裕がなかったため、吸収合併したヴァルティー社の工場をTBYの生産に振り当 てたのだが、大型機体製造の経験がなかったヴァルティー工場では生産に遅れが生じ、結局大戦終結までに180機が完 成しただけで残りはキャンセルされ、当機が実戦に参加する機会を得ることは無かった。
 原型機完成の遅れ、米国参戦の時期、使用エンジンの供給優先順位、不慣れな生産工場といった不運が重なり、戦史に 名を残したであろう優秀な機体が日の目を見ることなく消えていったのである。

機体詳細データ(TBY)
全長11.94m全高 4.72m
全幅17.35m翼面積40.88m2
自重5,156kg最大重量8,368kg
最高速度492km/h上昇限度8,290m
航続距離2,414km巡航速度265km/h
発動機プラット&ホイットニー R-2800-20「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒 2,000馬力×1基
乗員数 3名総生産機数原型1+量産型180機
武装12.7mm機銃×4(前方固定3、後上方旋回1)、7.62mm機銃×1(後下方旋回)、
爆弾2,000lb(907kg)または航空魚雷×1搭載
主要タイプ XTBU:原型機の呼称。後にXR-4360「ワスプメジャー」のテストベッドに使用された
TBY:量産型の呼称(製造社がコンソリデーテッドになったため末尾の会社記号が変更された)