ツポレフ TB−3重爆撃機

Tupolev TB-3(ANT-6)
Туполев ТБ-3(АНТ-6)


ソビエト赤軍

TB-3
旧ソビエトの航空機番号を付けたTB−3/AM−34FRN

 1926年頃から開発の始まったソビエトの大型爆撃機。双発だったTB (Тяжелый Бомбардировщик:重爆撃機の略)−1のレイアウトを 拡大した機体で、後にソビエトを代表することになる航空機設計者達(ツポレフをはじめとして、 ベリエフやペトリャコフ、ミヤシシュチェフなど)が開発プロジェクトに参加していた。
 原型機は1930年12月22日に初飛行、翌年から生産型の生産が開始され1937年に生 産終了するまでに全部で818機が作られている。戦略爆撃には理解を示さなかったソビエト軍 部にしてはこの生産数は破格のものであると言えよう。原型機や初期の生産型は独BMW製エン ジンを改良したM−17を搭載していたが、1930年代中盤には能力向上のため、M−34系 エンジンを搭載した機体の製造へシフトしている。
 1939年に満州・ソビエト国境で日本軍と衝突した際に当機も出撃して初の実戦経験となっ たが、1941年6月にドイツがソ連侵攻を開始した時点では時代遅れの機体となっていたため、 大半の機体は輸送用に改装されていた。また大きな機体とペイロードであったため主脚間に戦車 や車両を搭載した空中戦車母機やグライダー曳航機、 ポリカルポフI−16などを搭載す る戦闘機母機などの実験にも使用されている。

機体詳細データ(TB−3/M−17)
全長24.40m全高 8.45m
全幅39.50m翼面積230.0m2
自重10,970kg最大重量17,000kg
最高速度200km/h程度上昇限度3,800m
航続距離1,350km巡航速度100km/h台後半
発動機ミクーリン M−17F 水冷V型12気筒 715馬力×4基
乗員数8名総生産機数818機
武装7.7mm機銃×8、最大2,000kgまでの爆弾搭載可能
機体詳細データ(TB−3/M−34RN)
全長25.18m全高 8.45m
全幅41.85m翼面積234.5m2
自重12,585kg最大重量18,877kg
最高速度288km/h(高度3,000m)上昇限度7,800m
航続距離960km巡航速度200km/h前後
発動機ミクーリン M−34RN 水冷V型12気筒 970馬力×4基
乗員数6名総生産機数上記参照
武装7.7mm機銃×9、最大2,000kgまでの爆弾搭載可能
主要タイプ ANT-6:原型1号機。カーチス・コンカラーエンジン(600hp)搭載
ANT-6(BMW IV):原型2号および3号機。BMW IVエンジン(730hp)搭載
TB-3/M-17:初期の生産型。M-17Fエンジン搭載。ダブル車輪の主脚、波板胴体
TB-3/M-34:M-34エンジン(830hp)搭載のモデル。爆弾搭載量強化。機首下に爆撃手用張り出し
TB-3/M-34R:改良型のM-34Rエンジン搭載モデル。尾部銃座を採用
TB-3/M-34RD:TB-3/M-34Rから武装を撤去した民間型モデルの名称
TB-3/AM-34RN:AM-34RNエンジン(970hp:過給器付き)搭載の高空性能改善型
TB-3/AM-34FRN:主脚を大型単一車輪化。機首部密閉銃座採用、波板外板の廃止
TB-3/AM-34FRNV:最終型。AM-34FRNVエンジン(1,200hp:ブースター付き)搭載。密閉型背面銃座採用
TB-3D:チャロムスキーAN-1ディーゼルエンジン(740hp)を搭載した実験機
ANT-6A:極地輸送用機。密閉操縦席、スキー降着装置。AM-34R型改装
G-2:輸送機に改装された当機の総称。R-5とも呼ばれ、アエロフロートが運航した
Aviaarktika:TB-3を改造した北極点飛行用機体。密閉式操縦席、大直径タイヤや金属製プロペラを装備