スーパーマリン ストランラー飛行艇

Supermarine Stranraer

英国空軍 他

Stranraer
カナダ空軍のストランラー飛行艇

 英連邦で汎用沿岸哨戒飛行艇として使用されていたスーパーマリン・サザンプトンの後継を 求める英航空省仕様書R.24/31により開発された機体。スーパーマリン社はサザンプト ンを大幅に改良した機体(当初サザンプトンIVと名付けられたが原型機完成前にスカパ[Scapa]と 改称した)はサザンプトンでは3枚だった垂直尾翼を2枚に減じ、また主翼操舵面以外の構造を 全金属製としたものであった。
 14機製造されたスカパ量産型は1935年から部隊配備されたが、スーパーマリン社では更なる 改良型としてサザンプトンVの名称で改良型開発を継続した。これが当ストランラーの原型となっ た。スカパよりも一回り大型の機体で、出力の大きなエンジンを搭載していたストランラーは 1937年から部隊配備が開始された。このときスカパを運用していた部隊にもスカパと置き 換わる形で配備が行われたため、スカパは1938年に全機退役となっている。ちなみに、ス ーパーマリン社で数々の飛行艇を生み出してきた航空デザイナーR・J・ミッチェル[R.J. Mitchell]が 手がけた最後の複葉飛行艇となったのがストランラーであった。
 第二次大戦が勃発した頃には15機(英国での全製作機数は17機)のストランラーが部隊 運用されていたが、第一線で使用されることは少なく1940年には訓練任務にまわされるよう になった。
 なおカナダのカナディアン・ヴィッカース社でストランラーのライセンス生産が行われており、 本国よりも多い40機がカナダ空軍へ納入され、終戦までカナダ沿岸部の哨戒任務に従事した( 旧式な機体を長く運用できたことは戦線から離れた国土の余裕かもしれない)。これらカナダ空 軍所属の機体の一部(14機?)は終戦後に民間へ払い下げられ短距離航空路線に使用された。

機体詳細データ(ストランラー)
全長16.61m全高 6.60m
全幅25.81m翼面積135.40m2
自重5,100kg最大重量9,035kg
最高速度266km/h(高度1,830m)上昇限度5,640m
航続距離1,610km巡航速度不明
発動機ブリストル「ペガサス」X 空冷星形9気筒 920馬力×2基
乗員数6〜7名総生産機数57機(英国17+カナダ40)
武装7.7mm機銃×3(機首、胴体中央、胴体後方各1)、1,000lb(454kg)の爆弾・爆雷
主要タイプ Southampton IV:当初のモデル名。後にScapaと改称
Scapa:初期型。RRケストレルIIIMSエンジン(525hp)搭載。乗員5名(原型含み15機)
Southampton V:拡大強化型の当初モデル名。後にStranraerと改称
Stranraer:最終型。カナダでライセンス生産も行われた(17+40機)