ショート スターリング爆撃機

Short S.29 Stirling

英国空軍

Stirling Mk.I
英国空軍第15飛行隊所属のスターリングMk.I

 1936年に英国航空省が出した仕様書B12/36は乗員7〜8名の単葉4発重爆撃機を求めた ものであった。ショート社ではこの仕様書に応えて機体を開発する事にしたが、単葉4発機の経験が 無かったため、最初はサイズを二分の一に縮小した研究機S.31を製作し4発機の特性を研究する ことにした。1938年9月に90馬力のエンジン4機を搭載した研究機は無事初飛行できたので、 ショート社は仕様書に基づく機体の開発を継続、1939年5月にスターリング原型機を初飛行させ た。
 同年8月から生産型の納入が始まった当機は英国空軍に採用された初の単葉4発重爆撃機となり、 1941年2月にロッテルダムの石油タンク爆撃に出撃して英軍最初の実戦参加した4発重爆撃機と もなった。
 しかし作戦上昇限度が不足していたことや高性能大型爆弾が搭載できなかった事から実戦部隊で は当機の人気は高くなく、アブロ・ランカスターハンドリページ・ハリファクスなどの 供給が充分に行われるようになると、当機は爆撃部隊から引退していく事になったのである(これに より当機は第二次大戦で使用された英軍重爆撃機のうち最初に爆撃任務から引退した機体にもなった)。
 1944年頃から当機は爆撃任務から外されグライダー曳航機として使用されるようになり、ノル マンディー上陸作戦やアルンヘム空挺作戦では GAL49ハミルカー1機またはエア スピード・ホーサ2機を曳航して作戦に参加した。また最後に生産されたスターリングは輸送機型 (Mk.Vと呼ばれる)で、兵員40名(空挺兵なら20名)またはジープ1台に牽引された野砲1 門を搭載できる機体として1946年頃まで使用された。

機体詳細データ(スターリングMk.III)
全長26.59m全高 6.93m
全幅30.20m翼面積135.63m2
自重19,600kg最大重量31,800kg
最高速度435km/h(高度4,400m)上昇限度5,200m
航続距離950km巡航速度320km/h程度
発動機ブリストル「ハーキュリーズXVI」空冷星形複列14気筒 1,650馬力×4基
乗員数7名総生産機数2,300機以上(2,383機説あり)
武装7.7mm機銃×8(機首2、尾部4、胴体2)、爆弾最大6,300kg搭載可能
主要タイプ S.31:二分の一縮小モデル研究機。ボブジョイ・ナイヤガラエンジン(90hp)搭載
S.29:当機の社内モデル名称。原型はハーキュリーズIIエンジン(1,375hp)搭載
Stirling Mk.I:最初の生産型。ハーキュリーズエンジン(1,595hp)搭載
Stirling Mk.II:カナダ生産型の予定呼称。ライトR-2600エンジン搭載。生産されず
Stirling Mk.III:爆撃型最終モデル。ハーキュリーズXVIエンジン搭載
Stirling Mk.IV:曳航機型。Mk.IIIから機首・背面銃座を撤去、曳航装置を装備
Stirling Mk.V:輸送機型。一部機体は退役後民間貨物機に改装された