スーパーマリン スパイトフル/シーファング戦闘機

Supermarine Spiteful / Seafang

英国空軍 他

Spiteful XIV
英国空軍のスパイトフルXIV(F.Mk14)

                                                                      
 英軍が誇る戦闘機スピットファイアの 後継機として開発された戦闘機。スピットファイアは優秀な戦闘機であったが、原型初飛行が1936年と 古く、第二次大戦開戦後も絶え間なく続けられた能力向上のための改良により、古い機体設計に無理が生じ てきていた。そこで英国航空省ではスピットファイアの出力向上型(グリフォンエンジンを搭載していたた めグリフォン・スピットファイアやスーパー・スピットファイアと俗に言われるスピットファイア21以降 の機体)と共に最新の層流翼理論を盛り込んだ機体開発を仕様書F.1/43にて指示した。
 スーパーマリン社ではスピットファイアXIV(通常のスピットファイアの機体にグリフォンエンジンを 搭載した場繋ぎ的機体)の機体をベースに新設計の主翼(主脚部も地上での安定性を確保するためにトレッ ド幅の広い内側引き込み式に変更された)を装備、プロペラを4翅から5翅に変更した機体を制作したが、 元々の胴体設計が新主翼に適合できず、結局新型の機体を一から開発した方が早いとの結論に至った。
 完全新設計の機体は1945年1月に初飛行し、スパイトフルと名付けられた。この機体は時速780キ ロという速度性能を示し、英国空軍は早速量産型150機の発注を行った。また空母搭載向けの艦上機型も 仕様書N.5/45により開発が指示され、こちらの機体はシーファングと名付けられている。
 しかし、第二次大戦の終結やジェット戦闘機の登場により、究極のレシプロ機として登場したスパイトフ ルの存在価値は薄れ、ごく少数機が制作されたのみで製造は中止されてしまった。また艦隊航空隊はジェッ ト化が遅れていたためシーファングの出番はなくなった訳ではなかったが、同時期に開発されたホーカー社 のシー・フュアリの方 が汎用性や機体生存性が高いと判断されたため、当機は量産されることなく終わっている。

機体詳細データ(スパイトフルXIV)
全長10.03m全高 4.08m
全幅10.67m翼面積19.50m2
自重3,334kg最大重量4,513kg
最高速度766km/h上昇限度12,800m
航続距離908km巡航速度不明
発動機ロールス・ロイス 「グリフォン」69 液冷V型12気筒 2,375馬力×1基
乗員数1名総生産機数19機(Spiteful)+18機(Seafang)
武装20ミリ機関砲×4
主要タイプ Spiteful XIV:最初の量産型。グリフォン69搭載。後にF.Mk14と改称(19機)
Spiteful XV:XIVにグリフォン89(2,350hp)を搭載した機体。Seafang原型となった(1機改修)
Spiteful XVI:XIVにグリフォン101(2,420hp)を搭載した機体。後にF.Mk16と改称(2機改修)
Seafang Mk.31:艦載型の生産前機。グリフォン61(2,035hp)搭載。爆弾等搭載可能(10機)
Seafang Mk.32:艦載型量産型。グリフォン89搭載。二重反転プロペラ装備(8機:2機説もある)