スーパーマリン スピットファイア/シーファイア戦闘機

Supermarine Spitfire / Seafire

英国空軍 他

Spitfire
自由ポーランド軍部隊に供与されたスピットファイアIX
Seafire45
英海軍のシーファイア45

下記写真はデアゴスティーニ社発行「隔週刊 第二次大戦傑作機コレクション」付属の模型です(クリックで拡大(要Javascript))
スピットファイア
第9号(2016.06.28)
スピットファイア Mk.Vb 1942年
英国空軍第234戦闘飛行隊 Aksel Andreas Svendsen少尉機


 1936年に原形機が飛行したスピットファイアは第二次大戦が始まる1939年までに、かなりの改良を受け迎撃戦闘機としては洗練されたものになっていた。しかし開戦後にも次々と改良型が開発され、第二次世界大戦中に最も大量に製作され最も発展を遂げた航空機となった。特にロールス・ロイス社製「グリフォン」エンジンを搭載した後期生産型はレシプロ機として究極の域に到達した機体と言っても過言ではないだろう。
 迎撃戦闘機型の他に写真偵察機・戦闘爆撃機・艦上戦闘機などの機体も製作されており、本機は英国だけでなく連合国軍の共通機種として使用された(ドイツに占領された各国から亡命した解放軍(自由フランス軍や自由ポーランド軍など)や英国に戦闘機を供与する立場であった米国陸軍までもが当機を使用した)。ちなみに海軍で使用される艦上装備を施されたスピットファイアは「シーファイア」と名付けられていた。
 だが戦後はジェット戦闘機の発達に伴って急速に第一線から退き、48年2月をもって生産が終了した(シーファイアについては艦上戦闘機のジェット化が遅かったため朝鮮戦争でも現役として活躍している)。

(2016,07,23追記)
 上掲の模型写真を掲載する際に、ちょっと調べたので折角ですから小ネタを書いておきます。模型のモデルになっている機体の操縦士は、デンマーク人のアクセル・アンドレアス・スベンセン(1922〜1942。誌上ではセブンセンと書かれてました)。コペンハーゲン出身の彼は6歳の頃に親の仕事の関係でイギリスへ移り、第二次大戦が勃発すると彼(当時17歳)はイギリス空軍に志願しますが、そのときは採用されませんでした。その後41年初頭に採用、訓練の後に同年7月戦闘機操縦士として配属、同年12月に第32飛行隊へ着任します。最初はハリケーンに搭乗していましたが、翌42年4月1日に模型機のモデルとなった第234戦闘飛行隊へ転属します。ちょうど部隊はスピットファイアのMk.IIからMk.Vへの機種転換が行われており、彼は新しい機体とともに着任したのですが、残念ながら4月24日にドイツ機と交戦し、彼は帰還しませんでした。スピットファイアでの飛行記録は26時間という新米パイロットで、まだ20歳という若さでした。
 なお、上掲の写真では判別できませんが、機体にはデンマークの旗とともに「VALDEMAR ATTERDAG」のパーソナルネームが書かれています。これは「ヴァルデマー再興王」という意味で、中世デンマークの国王ヴァルデマー四世(1320〜1375)のことを指します。


機体詳細データ(スピットファイアMk.VA)
全長 9.12m全高 3.02m
全幅11.23m翼面積22.48m2
自重2,267kg最大重量2,911kg
最高速度594km/h(高度5,945m)上昇限度11,100m
航続距離1,827km巡航速度不明
発動機ロールスロイス「マーリン」45 液冷V型12気筒 1,480馬力×1基
乗員数 1名総生産機数下記参照
武装7.7mm機銃×8
機体詳細データ(スピットファイアMk.XIVE)
全長 9.96m全高 3.86m
全幅11.23m翼面積22.48m2
自重3,040kg最大重量4,663kg
最高速度720km/h上昇限度13,560m
航続距離1,368km巡航速度674km/h
発動機ロールスロイス「グリフォン」65 液冷V型12気筒 2,050馬力×1基
乗員数 1名総生産機数約23,000機(シーファイア含む)
武装12.7mm機銃×2、20mm機関砲×2、227kg爆弾×1および113kg爆弾×2
主要タイプ Type 224:原型機。固定脚装備、ゴスホークエンジン(660hp)搭載
Type 300:再設計された原型機。RR社製PV12エンジン(900hp)搭載
Spitfireの武装は、基本的に7.7mm機銃×8のA型、20mm機関砲×2、7.7mm機銃×4のB型、
20mm機関砲×4のC型、20mm機関砲×2、12.7mm機銃×2、爆装可能のE型などがあり、主翼
型も通常のF型の他に低空戦用(短幅)のLF型や高々度用(長幅)のHF型がある。当項目では
これらを【】書きで記述した。(例:【A,B;F】=このタイプにはAまたはB型武装のモデルが
あり、主翼は通常幅のものであることを示している。?と示した場合や【】書きが未記入の場
合はタイプ未詳。)

Spitfire Mk.I:最初の生産型。マーリンIIエンジン(1,030hp)搭載【A,B;F】
Spitfire Mk.II:マーリンXIIエンジン(1,175hp)搭載【A,B,C;F】
Spitfire Mk.III:マーリンXXエンジン(1,280hp)搭載の試作型
Spitfire Mk.IV:グリフォンエンジン搭載の原型。同名のMk.V偵察改修型もある
Spitfire Mk.V:マーリン45または50エンジン(1,440hp)搭載【A,B,C;LF】
Spitfire Mk.VI:マーリン47エンジン(1,415hp)搭載の高々度迎撃型【?;HF】
Spitfire Mk.VII:マーリン61,64,71エンジン搭載。引き込み式尾輪【?;HF】
Spitfire Mk.VIII:マーリン61,63,66,70エンジン搭載【A,B,C;LF,F,HF】
Spitfire Mk.IX:マーリン61,63,66,70エンジン。胴体強化【B,C,E;LF,HF】
Spitfire Mk.X:Mk.IX偵察型の操縦席与圧型。マーリン77エンジン【?;F,HF】
Spitfire Mk.XI:非武装偵察機型。マーリン61,63,70エンジン【F,HF】
Spitfire Mk.XII:グリフォンIIまたはIVエンジン(1,735hp)搭載【B;LF】
Spitfire Mk.XIII:マーリン32エンジン搭載の偵察機型。7.7mm機銃×4【LF】
Spitfire Mk.XIV:グリフォン65または66エンジン(2,050hp)搭載【C,E;LF】
Spitfire Mk.XVI:パッカードマーリン266エンジン搭載。水滴型風防【C,E;LF,F】
Spitfire Mk.XVIII:二段過給グリフォンエンジン搭載。水滴型風防【E;F】
Spitfire Mk.XIX:非武装偵察機型。二段過給グリフォンエンジン搭載【F】
Spitfire Mk.XX:Mk.IV改装の原型機。Mk.XIIの原型となった【B;LF】
Spitfire Mk.21:再設計機体。グリフォン61または64エンジン。20mm機関砲×4
Spitfire Mk.22:Mk.21の小変更機。一部機体にグリフォン85(2,375hp)+二重反転ペラ
Spitfire Mk.24:更に小変更を施した機体。短銃身機関砲を装備
Seafire Mk.IB:Spitfire Mk.VBの艦上戦闘機型
Seafire Mk.IIC:マーリン32エンジン搭載。4翅ペラ。降着装置強化
Seafire Mk.III:マーリン55Mエンジン(1,585hp)。二段折り畳み主翼
Seafire Mk.XV:グリフォンVIエンジン(1,850hp)。後期型は水滴型風防
Seafire Mk.17:Seafire Mk.XV後期型とほぼ同様の機体。脚部を補強
Seafire Mk.45:Spitfire Mk.21同様の再設計機体。一部にグリフォン85+二重反転ペラ
Seafire Mk.46:Seafire Mk.45とほぼ同様の機体。水滴型風防
Seafire Mk.47:グリフォン87または88エンジン(2,375hp)+二重反転ペラ。油圧折り畳み翼