フェアリ スピアフィッシュ試作艦上雷撃機

Fairey Spearfish

英国艦隊航空隊

Spearfish
スピアフィッシュ原型機

 英国海軍本部は失敗作であった艦上爆(雷)撃機バラクーダの 後継機を開発するため、1943年に仕様書O.5/43を発行した。重量過多に泣かされた バラクーダの教訓から、この新型機には強力なエンジンの搭載が指示されており、また対潜レー ダーもバラクーダMk.IIIでは後部胴体下に取り付けられていたものが、当機では空力的洗 練のため機内内蔵とされていた。
 フェアリ社では早速機体設計を開始したが、仕様書の要求を全て盛り込むとなると機体が大 型化してしまい、現有の航空母艦では運用に無理が生じたため、当機は建造が予定されていた 大型空母(マルタ型) 専用となることになった。
 搭載エンジンとなるブリストル・セントーラスエンジンの調整に手間取り、原型機が初飛行 したのは1945年7月のことであった。当初150機あまりの生産が予定されていたが、戦 争終結により母艦となる大型空母の建造中止もあって量産はキャンセルされ、研究のために5機 の原型が生産されたのみに終わっている。
 完成した原型機は操縦性が悪く、小回りのきかないものであったため海軍本部は部隊配備を拒 否し、フェアリ社や海軍の実験部隊で1950年代初頭まで各種試験に使用された。
 ちなみに当機は、英国海軍が保有したレシプロ単発艦上機のうちで最も大きなエンジンを搭載す る機体であった。

機体詳細データ(スピアフィッシュ原型機)
全長13.59m全高 4.12m
全幅18.36m翼面積49.24m2
自重5,640kg最大重量10,000kg
最高速度483km/h上昇限度7,193m
航続距離1,440km巡航速度418km/h
発動機ブリストル「セントーラス」57 空冷星形複列18気筒 2,585馬力×1基
(搭載エンジンを「セントーラス」58としている資料もある)
乗員数 2名総生産機数 5機
武装12.7mm機銃×4(前方固定2、後方遠隔銃座2)、航空魚雷×1または2,000lb(907kg)爆弾×1
または無誘導対潜ロケット弾×16を搭載可能
主要タイプ Spearfish:公式の機体呼称。原型5機のみ生産