サボイア・マルケッティ SM85急降下爆撃機

Savoia-Marchetti S.M.85

イタリア王立空軍

SM.85
イタリア空軍のSM85

 イタリア空軍は1930年代半ばに双発単葉の急降下爆撃機を開発することにし、サボイ ア・マルケッティ社に開発を指示した。同社では木製(一部金属製)構造の箱形胴体を持つ 中翼単葉双発機を完成させた。これがSM85である。
 当機は急降下時の視界を確保するため、操縦席を機首先端の高い位置に設置し、また下方 視界も確保できるよう、操縦席床にも大きな観測用窓が装備されていた。爆弾は胴体内爆弾 倉に収納され、主脚はエンジンナセル内への引き込み式であった。急降下爆撃機に必須装備 となるダイブブレーキはフラップと兼用となっている。
 原型機は1936年末に初飛行したが、飛行試験で期待はずれの性能しか示せなかった。 これは多分にエンジン性能が予定よりも低かったことが原因とされる。しかし、空軍では改 良の余地ありとしてSM85を採用し生産を命じている。
 イタリアが第二次大戦に参戦すると当機を配備した部隊(96°Gruppo Tuffatori: 第96独立急降下爆撃機隊)はシシリー沖のパンテレリア島(Pantelleria)へ展開したが、 性能の低さから実戦参加は行われず、すぐに第一線を退くことになった(一説では地中海沿 岸の気候により部品劣化が激しく飛行不能になったと言われている)。
 急降下爆撃機部隊はドイツのJu87スツーカを 装備することで任務を継続したが、早々に退いたSM85は他に使い道も無く、地上基地で 敵の目を欺くダミーや爆撃訓練の標的として使用されるようになった。

機体詳細データ(SM85)
全長10.40m全高 3.30m
全幅14.00m翼面積28.80m2
自重2,950kg最大重量4,190kg
最高速度368km/h上昇限度6,500m
航続距離 870km巡航速度不明
発動機ピアッジョ P.VII C.35 空冷星形7気筒 460馬力×2基
乗員数 1名総生産機数34機(SM85のみ)
武装7.7mmもしくは12.7mm機銃×1(前方固定)、800kgまでの爆弾(通常は500kg×1)
主要タイプ SM.85:原型機を含む生産型呼称(原型2+生産型32機)
SM.86:ヴァルター「サジッタ」エンジン(600hp)およびイゾッタ・フラスキーニ「ガンマ」エンジン(540hp)を
     装備した出力強化型。原型試作のみ(2機)