ジーベル Si204輸送/練習機

Siebel Si204

ドイツ空軍

Si204
ドイツ空軍のSi204(おそらくD型)

 ドイツ航空省は1938年に乗員2名と乗客8名を乗せる双発旅客機の開発を行うこととし、 ジーベル社へ発注を行った。ジーベル社では旅客輸送の第一人者であるルフトハンザ航空(Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaft)と共同 で開発を行っている。
 ジーベル社では完成直前だった自社製5座(乗員1名+乗客4名)旅客機Fh104(ジーベ ル社の前身であるハレ航空機(Flugzeugbau Halle)の時代に設計開始したため、会社記号はFh となる)をベースにした発展型として当機を設計、1940年に原型機を完成させた。原型1号 機と2号機はFh104に似た段付きの機首をしていたが、原型3号機からは完全にガラスで覆 われた機首となっている。その設計変更のため原型3号機の初飛行は1941年末までずれ込ん でいる。
 量産性も高く保守・運航も容易な当機は早速ドイツ空軍に採用されたが、戦時中でジーベル社 はJu88の生産で手一杯だ ったため、量産はドイツ占領下のフランスおよびチェコスロバキアで行われることとなった。
 フランスSNCAN社とチェコのアエロ社で生産された機体には二つのタイプがあり、輸送機 型のA型と計器飛行練習機型のD型に分かれるが、総生産数の9割はD型として製作されている (D型も練習専用機ではなく輸送任務に使用できたため)。
 戦時中は軍用機として使用された当機だったが、戦後もチェコスロバキアで生産が行われてお り、チェコ航空(ČSA)の短距離便として使用されている。

機体詳細データ(Si204D−1)
全長11.95m全高 4.25m
全幅21.33m翼面積46.00m2
自重3,950kg最大重量5,600kg
最高速度364km/h上昇限度6,400m
航続距離1,400km巡航速度不明
発動機アルグス Ar411A1 空冷倒立V型12気筒 600馬力×2基
乗員数2名+訓練生4名+教官1名総生産機数1,216機(終戦までの数)
武装武装なし
主要タイプ Si204V:原型機呼称。Vの後ろに製造順に番号がつく(15機)
Si204A-0:輸送機型生産前機。乗員2名+乗客8名(30機)
Si204A-1:輸送機型生産機。A-0型と差異は無い(85機)
Si204D-0:練習機型生産前機。乗員1〜2名+練習生座席(45機)
Si204D-1:練習機型生産機。D-0型に準じる(977機)
Si204D-3:主翼と水平尾翼を木金混合構造とした戦時簡略型(64機)
Si204E-0:武装を施した夜間戦闘機型。計画(もしくは改造試作)のみ
NC.701:仏SNCAN社で製造された機体(D型)の社内およびビシー空軍呼称
NC.702:仏SNCAN社で製造された機体(A型)の社内およびビシー空軍呼称
C-3A:チェコスロバキア・アエロ社で製造された機体(D型)の呼称
C-3AN:戦後もチェコスロバキア空軍で使用されたC-3Aの呼称。主に練習機として使用
C-3AF:戦後もチェコスロバキア空軍で使用されたC-3Aの呼称。主に写真偵察機として使用
C-3B:Si204E-0型のように武装を施したチェコ製機体。戦後製作(C-3A型改修)
C-103:アエロ社で戦後生産された機体の呼称