カーチス SB2Cヘルダイバー艦上爆撃機

Curtiss SB2C "Helldiver"

合衆国海軍航空隊 他

SB2C
母艦上空を旋回するSB2C−3ヘルダイバー

 旧式化しつつあったダグラスSBDドーントレス艦上爆撃機の 後継機として対日本戦の勝利の鍵となるべく生み出された機体で、カーチス社は大規模な生産計画により大量生産を行った。
 しかし完成した機体は弱い構造、運用性の悪さ、極めつけは深刻といえるほどの不安定な操縦性や許容できないほど劣悪 な失速特性など多くの問題をかかえ、米海軍の操縦士達を困らせることになったのである(操縦士達はSB2Cという型番 をもじって「サノバビッチ・セカンドクラス」(二流のろくでなし)とあだ名を付け忌み嫌った)。それなのに太平洋戦争 中期から終戦にかけて7,000機以上も生産が行われ第一線で使用され続けたのは、この機体の搭載能力と航続距離が数 々の欠点をうち消すほど優れていたからであろう。大戦末期には九州南方沖(坊の岬沖海戦)での 戦艦「大和」撃沈や日本本土空襲などの戦果 を挙げている。
 大量生産を行うため、カーチス社だけでなくカナダのフェアチャイルド社工場やカナディアン・カー&ファウンドリー 社でも製造が行われており、英国艦隊航空隊やオーストラリア空軍へ供与も行われた。戦後余剰となった機体はフランス、 ポルトガル、イタリア、ギリシア、タイなどに売却され1950年代まで使用された。
 カーチス社はこの機体の他にも戦時中にSO3Cシーミューを 生産し海軍に納入したが、この機体も失敗作であったため名門カーチス社の名は地に落ち、終戦後にカーチス社が没落した のもこれらの失敗作のため軍から見放されてしまったことが大きな要因である(最も大きな要因は戦争終結による大量の生 産契約破棄であるが)。

機体詳細データ(SB2C−4)
全長11.18m全高 4.01m
全幅15.16m翼面積39.20m2
自重4,784kg最大重量7,540kg
最高速度475km/h(高度5,090m)上昇限度8,870m
航続距離1,875km巡航速度254km/h
発動機ライト R-2600-20「サイクロン」空冷星形複列14気筒 1,900馬力×1基
乗員数 2名総生産機数7,050機以上(7,140機説あり)
武装7.62mm機銃×2(主翼)、20mm機関砲×2(後方旋回)、胴体爆弾倉に爆弾最大2,000lb(907kg)
もしくは航空魚雷×1、翼下に500lb(227kg)爆弾×2もしくは5inchロケット弾×8
主要タイプ XSB2C-1:原型機。R-2600-8エンジン(1,700hp)搭載。社内呼称Model 84
SB2C-1:初期生産型。主翼内に12.7mm機銃×4
A-25A:米陸軍向け機体の呼称。大半は海軍向けに改修して海軍及び海兵隊へ納入された
SB2C-1C:主翼内搭載機銃を20mm機関砲×2に変更した機体
XSB2C-2:試作長距離水上機の原型。SB2C-1に双フロートを装備した
SB2C-3:R-2600-20エンジン(1,900hp)搭載。細部に変更点有り
SB2C-4:主要生産型。主翼下にロケット弾または爆弾搭載用の搭載架を装備
SB2C-4E:SB2C-4に夜戦用レーダーを装備した機体の呼称
SB2C-5:最終生産型。燃料搭載量を増加
XSB2C-6:R-2600-22エンジン(2,100hp)搭載。胴体延長モデル。生産されず
SBF-1:フェアチャイルド社で製造された機体。SB2C-1C相当
SBF-3:フェアチャイルド社で製造された機体。SB2C-3相当
SBF-4E:フェアチャイルド社で製造された機体。SB2C-4E相当
SBW-1:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。SB2C-1C相当
SBW-1B:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。英国供与型SBW-1
Helldiver Mk.I:SBW-1Bの英国海軍呼称。実戦には参加しなかった
SBW-3:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。SB2C-3相当
SBW-4E:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。SB2C-4E相当
SBW-5:カナディアン・カー&ファウンドリー社で生産された機体。SB2C-5相当