サーブ J21戦闘機

SAAB 21(J21)

スウェーデン王立空軍

SAAB J21
スウェーデン空軍のJ21A−2

 国王グスタフ5世の武装中立宣言により中立を保っていたスウェーデン軍が第二次大戦開戦時に保有して いた戦闘機はイタリア製および 米国製のものであった。しかし 戦争が勃発すると海外からの機体供給が難しくなる事や、自国の中立性を保つためにも戦闘機の国産化を進 める必用があるとの認識からサーブ社により新型戦闘機の開発を行う事としたのである。
 設計された機体は短い胴体に推進式エンジンを搭載し、適度に後退角のついた主翼から伸びる双支持梁に 小さな垂直尾翼と方向舵が付き、その間を昇降舵が繋ぐという奇妙なスタイルをした機体だった。しかし3 車輪式降着装置や射出式操縦席など先進的な機構も盛り込まれていた。
 1943年7月に初飛行した原型機にはドイツから輸入したDB605エンジンが搭載されていたが、初 期生産機の一部を除いた生産型には国内でライセンス生産した同等品が使用されている。
 1945年に部隊配備が始まったのだが、中立だったスウェーデンの情勢のため他国機と交戦する事は無 かった。しかし第二次大戦中に開発された推進式プロペラ機として唯一の作戦可能機であったことは特筆に 値するであろう。

機体詳細データ(J21A)
全長10.45m全高 3.96m
全幅11.60m翼面積22.20m2
自重3,250kg最大重量4,150kg
最高速度640km/h上昇限度11,000m
航続距離1,190km巡航速度490km/h
発動機ダイムラーベンツ DB605 液冷倒立V型12気筒 1,480馬力×1基
(ただし大半は国内ライセンス生産品を搭載した)
乗員数1名総生産機数299機
武装13.2mm機銃×4(機首2、主翼2)、20mm機関砲×1(機首)
主要タイプ SAAB 21:原型機の開発名称
J21A-1:前期生産モデル。当初はJ21Aと呼称された。イスパノ・スイザ製機関砲搭載
J21A-2:後期生産モデル。20mm機関砲がボフォース製となり、計器板レイアウトを改良
J21B:エンジンをRR社製「グリフォン」に換装した出力強化型。計画のみ
A21A:主翼下に爆弾架を持った戦闘攻撃機型。腹部に機銃ポッド搭載可能。J21A-3とも呼称される