SIPA S.10/11/12練習機

S.I.P.A.(Société Industrielle pour l'Aéronautique) S.10/11/12

フランス空軍

S.12
フランス空軍のS.12練習機

 第二次大戦中、ドイツに占領されていたフランスでは独軍の命令により各種兵器の製造を 強制されていた。1938年に設立された新興航空機メーカーであるSIPA(航空工業社:Société Industrielle pour l'Aéronautiqueの略)も ドイツ航空メーカーの部品製造などを請け負っていたが、1944年になってアラドAr96練習機の 改良型(省資源戦時急造モデル)のAr396開発が指示された。
 同社では木金混合構造(鋼管溶接構造合板張り)の機体にアルグスAs411エンジンを搭載 した原型機3機を開発したが、1号機が初飛行したのはフランス解放後の44年末であった。再 編成されたフランス空軍は練習機としてS.10の名称で当機を28機発注、その後As411 エンジンをルノー社で生産したものに変更した機体S.11が続いて50機生産された。
 戦後になって機体を全金属製に変更したS.12が52機生産された。この機体には小爆弾の 搭載能力もあったため、アルジェリアなどでは近接支援任務などにも従事している。

機体詳細データ(S.11)
全長 9.32m全高 2.45m
全幅11.00m翼面積18.30m2
自重1,679kg最大重量2,070kg
最高速度370km/h(高度2,400m)上昇限度8,500m
航続距離700km巡航速度不明
発動機ルノー 12S-00 空冷V型12気筒 580馬力×1基
乗員数 2名総生産機数235機(全タイプ合計/234機説あり)
武装7.5mm機銃×1(前方固定)
機体詳細データ(S.12:寸法はS.11と同じ)
自重1,910kg最大重量2,335kg
最高速度360km/h(高度2,400m)上昇限度8,000m
航続距離1,000km巡航速度不明
発動機SNECMA 12S-02 空冷V型12気筒 600馬力×1基
乗員数 2名総生産機数(上記参照)
武装7.5mm機銃×2(前方固定)、50kg爆弾×4搭載可能
主要タイプ Ar396:独アラド社Ar96をベースにした戦時改良型。当機原型となった(3機)
S.10:Ar396原型を基本にした初期生産型。独アルグスAs411エンジン(580hp)搭載(28機)
S.11:S.10のエンジンをルノー12S-00に変更した機体(50機)
S.111:S.11をベースに改良規格(主翼を全金属製)に改設計したモデル。小爆弾搭載可能(54機)
S.111A:S.111に近接支援用ロケット弾搭載能力を追加した機体の呼称。アルジェリア植民地軍向け
S.12:全金属製となった機体(52機)
S.121:S.12の追加生産(改良)モデル(48機)
S.121A:S.121に近接支援用ロケット弾搭載能力を追加した機体の呼称。アルジェリア植民地軍向け