PZL P.37ロシュ爆撃機

PZL P.37 "Łoś"

ポーランド空軍

P37B
P37Bロシュ(風防ガラスが無いため独軍が捕獲した後の機体かもしれない)

 PZL(ポーランド国営航空機製造)が1930年代中頃から設計を開始した中型爆撃機。PZ Lではそれまでにも何度か爆撃機の提案をおこなっているが、1920年代末に提案されたP3爆 撃機は財政難のため設計段階以上に進めなかったし、民間輸送機P30の爆撃機変型型も軍の興味 を引く事はなかった。だが新たに行った単葉双発新型爆撃機の設計は軍の興味を引き、原型3機の 発注を受ける事が出来たのである。
 1936年6月に初飛行した原型1号機はブリストル・ペガサスXIIエンジン(873hp)を搭載して おり、機体試験でも良好な成績を示したためポーランド政府はP37Aロシュ(大鹿の意)と名付 け30機の量産発注を行った。最初に製作された10機は1枚の垂直安定板を持っていたが、残り 20機は原型2号機で試験された双垂直尾翼に変更されている(原型2号機は他にも多種多様なエ ンジン搭載のテストベッドとして使用された)。
 ロシュAは1938年までに軍への納入が完了したが、引き続き風防やエンジンを改良したロシ ュBの生産が続き、ドイツ軍がワルシャワへ侵攻するまでに約70機が納入されていた。しかし実 際に戦闘可能状態となっていた機体はその半数程度しかなく、緒戦で26機が失われた後は残存機 と武装取り付けが完全に終了していない補充機など20機がルーマニアに亡命、ルーマニア空軍内 において亡命ポーランド軍として使用されている。
 ブルガリアやユーゴスラビア、ルーマニア、トルコなどへの輸出も決定していたが、これらは1 940年中頃以降に実施となっていたため、開戦により実現しなかった。

機体詳細データ(P37Bロシュ)
全長12.92m全高 5.09m
全幅17.95m翼面積53.50m2
自重4,280kg最大重量8,900kg
最高速度445km/h(高度3,400m)上昇限度9,100m
航続距離1,500km巡航速度300km/h台中盤
発動機ブリストル「ペガサス」XX 空冷星形複列14気筒 925馬力×2基
(ただしPZLによるライセンス生産品を使用)
乗員数4名総生産機数約120機
武装7.7mm機銃×3(機首、背面、腹部各1)、爆弾最大2,600kg搭載
主要タイプ P37:原型機の呼称(3機)
P37A:最初の生産型。ペガサスXIIエンジン搭載。後期型から双垂直尾翼となった
P37Abis:P37Aの後期型呼称(非公式)
P37B:改良型。ペガサスXXエンジン(925hp)搭載。風防形状や降着装置を改良
P37C:グノームローヌ14N07エンジン(970hp)搭載の輸出型。ブルガリア/ユーゴ向け
P37D:グノームローヌ14N20エンジン(1,050hp)搭載の輸出型。ルーマニア/トルコ向け
P49:出力を強化(1,600hp程度)した発展型。開戦のため原型機は完成せず