フェアチャイルド PT−19/23/26練習機

Fairchild PT-19/23/26 "Cornell"

合衆国陸軍航空隊 他

PT-19A
米陸軍のPT−19A練習機

 優秀な複葉練習機PT−13を 導入した米陸軍であったが、安定性が高く操縦の容易な複葉練習機で基礎訓練を行った場合、高等訓 練に移る際のギャップが大きくなるとの認識が出てくるようになった。
 欧州の状況が開戦に傾き始め操縦士の大量養成が必要になった時、米陸軍では単葉練習機を調達する目的で フェアチャイルド社のM−62複座機の審査を実施した。M−62はPT−13よりも最高速度や上 昇率、上昇限度に勝っていたが、やはり単葉機ということで失速速度は高く、低速時の操縦は素人同 然の操縦士候補生には厳しいものであった。しかし米陸軍では、この難易度こそ新たな操縦士育成に 必要であるとして同機をPT−19の名称で制式採用することにした。
 PT−19は尾輪式固定脚の片持ち低翼単葉機で、鋼管構造合板張り(一部布張り)のシンプルな 機体だった。1940年から納入が開始され、すぐに基本練習機として充分以上の能力を発揮したP T−19は、その後太平洋戦争が始まるとフェアチャイルド社以外の航空機メーカーでも生産が行わ れるようになった。
 1942年には予想以上の製造契約数により搭載エンジンであるレンジャー社製エンジンの供給不 足がおこり、代替としてコンチネンタル社製エンジンを搭載する機体が設計され、PT−23の名称 で調達が行われた。またカナダのフリート社が英連邦航空訓練計画[British Commonwealth Air Training Plan]用 にPT−19の発展型としてコーネルの名称で機体製作を行うことになったが、その際に米国でも武 器供与法に基づいてコーネルと同等の機体をPT−26の名称で製作している。
 終戦後に余剰となった機体は民間市場へ放出されており、現在でも飛行可能な状態に維持されてい る機体が複数存在しているという。

機体詳細データ(PT−19A)
全長 8.53m全高 3.20m
全幅10.97m翼面積18.58m2
自重 837kg最大重量1,154kg
最高速度212km/h(海面高度)上昇限度4,663m
航続距離690km巡航速度182km/h
発動機レンジャー L-440-3 空冷直列6気筒 200馬力×1基
乗員数2名総生産機数6,397機
武装武装なし
主要タイプ M-62:原型となったフェアチャイルド社製機モデル名
PT-19:最初の生産型。L-440-1エンジン(175hp)搭載(270機)
PT-19A:改良型。L-440-3エンジン搭載。細部の洗練が施された(3,226機)
PT-19B:PT-19Aに計器飛行訓練用の装備を施した機体(143機)
XPT-23:PT-19に星形空冷コンチネンタルR-670-5エンジン(220hp)を搭載した原型(1機)
PT-23:XPT-23に準ずる量産型。R-670-11エンジン搭載(774機)
PT-23A:PT-19Bと同様の計器飛行訓練用装備を搭載したPT-23(256機)
PT-26:カナダへ供与するため製作された機体の米軍呼称。密閉式操縦席(670機)
Cornell I:供与されたPT-26のカナダ軍呼称
Cornell II:L-440-7エンジン搭載のフリート社製機体。米側呼称はPT-26A(807機)
Cornell III:Cornell IIの小改良型。フリート社製。米側呼称はPT-26B(250機)