ボーイング・ステアマン PT−13/17/18練習機

Boeing/Stearman PT-13/17/18

合衆国陸軍航空隊 他

PT-17
アルゼンチン海軍航空隊所属のPT−17練習機

 1927年にロイド・ステアマン(Lloyd Stearman)が設立したステアマン社は複葉スポーツ機や 練習機を製作する航空機メーカーとして経営を行ってきたが、1933年に自社費用負担で新型複葉 練習機の開発を開始、同年末に初飛行した原型機は翌34年に米陸軍の新型練習機トライアルに参加 した。
 木金混合布張りの構造に単張間複葉主翼を持ち、油圧とバネの緩衝装置を装備した固定脚の機体は、 見た目は旧式ながら初等練習機として充分以上の性能を発揮した。
 ところが最初に興味を示したのは米海軍で、1935年にNS1の名称で61機の発注を行った。 ただし海軍はライト社製エンジンの在庫を大量に抱えていたため、NS1の受注に当たってはこのエ ンジン搭載が条件に含まれている。36年になって陸軍もようやくPT−13の名称で26機の発注 が行われた。
 1939年になってステアマン社はボーイング社に吸収合併されてしまい、ボーイング社ウィチタ 工場となったため当機はボーイング・モデル75の名称が与えられた。折から欧州では戦争の気配が 濃くなったことにより米軍の大量発注が行われ、結局1945年まで生産が続けられることになった。 大量生産のため搭載エンジン生産が間に合わず、異なったエンジンの搭載が行われており、それぞれ にモデル名(軍の名称)が設定された。
 大戦中は米陸海軍だけでなくカナダ空軍にも供与が行われ、戦後余剰となった機体は南米諸国やア ジア諸国の軍に払い下げられたり、民間市場で農薬散布機やスポーツ機として多数が売却された。

機体詳細データ(PT−17)
全長 7.63m全高 2.79m
全幅 9.81m翼面積27.59m2
自重 878kg最大重量1,232kg
最高速度198km/h上昇限度3,415m
航続距離 808km巡航速度170km/h
発動機コンチネンタル R-670-5 空冷星形7気筒 220馬力×1基
乗員数 2名総生産機数10,346機(PT-27含む)
武装武装なし
主要タイプ Stearman X-70:原型機の社内呼称
Boeing Model75:ボーイング社でのモデル総称
PT-13:ライカミングR-680-5エンジン(215hp)搭載の初期生産型。米陸軍
PT-13A:ライカミングR-680-7エンジン(220hp)搭載の改良型。米陸軍
PT-13B:ライカミングR-680-11エンジン(220hp)搭載の小改設計型。米陸軍
PT-13C:夜間(計器)飛行用の装備を搭載したモデル。米陸軍
PT-13D:ライカミングR-680-17エンジン(220hp)搭載機体。陸海軍共通モデル
PT-17:コンチネンタルR-670-5エンジン搭載モデル。米陸軍
PT-17A:PT-17に夜間(計器)飛行用装備を追加したモデル。米陸軍
PT-17B:PT-17に農薬散布装備を搭載した民間向けモデル。戦争のため量産されず
PT-18:ジェイコブスR-755-7エンジン(225hp)エンジン搭載モデル。米陸軍
PT-18A:PT-18に夜間(計器)飛行用装備を追加したモデル。米陸軍
PT-27:カナダ軍向け供与機の米陸軍発注呼称。カナダ軍呼称はKaydet Mk.I
NS1:ライトJ-5エンジン(225hp)搭載の初期生産型。米海軍
N2S-1:コンチネンタルR-670-14エンジン(225hp)搭載モデル。米海軍
N2S-2:ライカミングR-680-8エンジン(220hp)搭載モデル。米海軍
N2S-3:コンチネンタルR-670-4エンジン(220hp)搭載モデル。米海軍
N2S-4:陸軍のPT-17と同様の機体。一部は陸軍生産分から移管。米海軍
N2S-5:陸軍のPT-13Dと共通の機体の米海軍呼称