ポリカルポフ U−2(Po−2)練習機

Polikarpov U-2(Po-2)
Поликарпов У-2(По-2) "Кукурузник"


ソビエト赤軍 他

Po-2
ポーランドでライセンス生産されたPo−2(現地呼称CSS−13)

 1927年当初に製作されたU−2TPK原型機を改良して産まれた複葉初等練習機。U−2TPK原型機 は修復や維持が容易におこなえるように、全く同じサイズ・デザインの主翼4枚を組み合わせており操縦性が 悪く危険だったので再度設計をやり直す事となった。そこで完成したのがU−2原型機である。
 1928年1月に初飛行したU−2原型機は優秀な飛行成績を示したため、即大量生産が開始され1928 年からドイツ軍がソビエトに侵攻を開始した1941年までに約13,000機もの機体が完成していた。当 機の主要任務は初等練習機としてのものであったが、他にも軽旅客機や患者輸送機、農業用機などにも使用さ れており、第二次大戦中には連絡、軽攻撃、夜間妨害爆撃、宣撫活動などにも従事し、派生型も多数が生産さ れた。ソ連では当機を「ククールツニク」の愛称で呼んでいたが、この愛称はトウモロコシを意味するロシア 語「ククールツア」(кукуруза)から来ている。
 1944年に設計者ポリカルポフが死亡すると、彼の名を記念してPo−2と改名された当機は戦後もポー ランドで大量生産されており、冷戦中には旧ソビエトの同盟諸国で多数が使用され、朝鮮戦争では北朝鮮軍が 行う夜間妨害爆撃(俗に言う「厭がらせ爆撃」(Bedcheck Charlie))に使用された。木製構造布張りの当機 はレーダーに映りにくく、国連軍はこの攻撃を捕捉するのに苦労したと伝えられている。なお、現在でも少数 機が飛行可能状態にあると伝えられる。

機体詳細データ(U−2VS【ソ連空軍基本練習機型】)
全長 8.17m全高 3.10m
全幅11.40m翼面積33.15m2
自重 635kg最大重量 890kg
最高速度156km/h上昇限度4,000m
航続距離400km巡航速度110km/h
発動機シュベツォフ M-11 空冷星形5気筒 100馬力×1基
乗員数2名総生産機数33,000機以上(ポーランド製含む)
(40,000機以上とする説もあり)
武装練習機型には武装なし(軽爆撃任務では7.62mm機銃×1、50kg軽爆弾×6)
主要タイプ U-2TPK:最初の原型機。飛行特性が悪かった
U-2原型:改良された原型機
U-2A:単座の農業用散布機。AO型とAP型の二種類がある
U-2G:すべての操縦装置を操縦桿にあつめた実験機
U-2KL:後部乗員室に膨らんだ風防天井を取り付けた特別機
U-2LSh:軽近接支援機。各モデルを改修して製作。爆弾架などを追加装備した
U-2LNB:軽夜間爆撃機。爆弾300kg搭載可能。消炎排気装置搭載
U-2LPL:1930年代に製作された傾向実験研究機
U-2M:中心線に主フロート、翼下に補助フロートを装備した水上機型試作機
U-2NAK:軽火器観測・偵察機。連絡用として陸軍用の無線機を搭載した
U-2S:患者輸送機。後部に患者と看護員を乗せるスペースをつくった
U-2SP:座席位置をずらし3座に改造した機体。連絡機として使用された
U-2SPL:後部席の位置に2名搭乗の客室を付けたリムジン機
U-2UT:戦時中に少数が生産された練習機。M-11Dエンジン(115hp)搭載
U-2VS:ソビエト空軍の基本練習機。連絡任務・軽爆撃などにも使用された。後にPo-2VSと改称
U-3:1934年に開発された改良型。M-48エンジン(200hp)搭載。量産されず
U-4:胴体を細くしたU-2改良型。少数が生産されたのみ
Po-2GN:スピーカーを装備した宣撫活動機。1944年以降に製作された
Po-2L:後部に密閉式客室を持つリムジン機。搭乗口は胴体左側
Po-2P:U-2Mに似たフロート機。戦時中製作のためごく少数
Po-2S-1:患者輸送機の戦時中モデル。戦前のU-2Sとあまり差異はない
Po-2S-2:S-1と同様の機体だが、M-11Dエンジンを搭載したモデル
Po-2SKF:S-3とも呼ばれる。主翼下に担架搭載用コンテナを装備した機体
Po-2ShS:1943年以降に生産された幕僚輸送機。乗客2〜3名の密閉式客室を持つ
Po-2SP:戦後に生産された地形測量/空中写真撮影機
RV-23:水上機の高度記録達成用に改造された機体。R-1820-F3エンジン(710hp)搭載
CSS-13:ポーランドで生産された機体の呼称。一部機体はガラス製風防を持つ
CSS-S-13:ポーランド製の患者輸送機。ソビエト製Po-2S-2に近い
E-23:特殊飛行の実験研究機。背面飛行時の特性などを調査した