ペトリャコフ Pe−8爆撃機

Petlyakov Pe-8
Петляков Пе-8


ソビエト赤軍

Pe-8
地上駐機中のペトリャコフPe−8

 ツポレフが設計した大型機ANT−42が元となった長距離爆撃機。当時のソビエト軍は戦略爆撃という プランを考慮していなかったため他に長距離機生産の計画は無く、当機の生産数も少ない。ちなみにツポレ フが設計したにもかかわらず、ペトリャコフの名前が付けられているのは、1930年代末の粛清でツポレ フは投獄され、その後機体呼称を定めた際に当機開発陣に参加していたペトリャコフの名前が使用されたか らである。
 1936年頃に初飛行したANT−42は四発の推進動力の他に高空性能を高めるため圧縮空気を送る第 五のエンジンを胴体内に搭載していたのだが、当初TB−7と呼ばれた当機には第五のエンジンは搭載され なかった。搭載されていたAM−35エンジンは戦闘機向けで爆撃機に使用するには若干不向きだったため、 何機かはM−30BディーゼルエンジンやM−82エンジンなどに換装されており、ごく少数機だが高空性 能を高めるため第五エンジンの搭載を復活させた機体もあったようだ。
 1939年から生産が開始された当機は1940年に生産が終了するまでに約80機が製造され、その長 距離性能を生かしてベルリン爆撃などに従事している。またモロトフ(後のソビエト外相)を会談のために ワシントンへ運ぶなどの歴史的任務にも従事した。
 軍当局の戦略爆撃に対する関心不足から当機は適切な任務に配備されることが少なかったが、そのため終 戦まで生き残った機体も多く、戦後1950年代頃までソビエト軍の輸送任務などに従事している。

機体詳細データ(Pe−8)
全長23.59m全高 6.20m
全幅39.10m翼面積188.68m2
自重19,986kg最大重量27,000kg
最高速度438km/h上昇限度7,000m
航続距離4,700km巡航速度347km/h
発動機ミクーリン AM-35 液冷V型12気筒 1,350馬力×4基(一部機体はシュベツォフM-82FN
空冷星形複列14気筒1,800馬力やシャロムスキーM-30Bディーゼルエンジンを搭載)
乗員数10〜11名総生産機数81機(93機または96機説あり)
武装7.62mm機銃×2(機首銃座)、12.7mm機銃×2(前方固定)、20mm機関砲×2(胴体・尾部銃座)、
爆弾最大4,000kg搭載(過積載状態で5,000kgまで可能。通常任務では2,000kg程度を搭載)
主要タイプ ANT-42:ツポレフ設計の原型。推進用以外に空気圧縮用エンジンを搭載
Pe-8:TB-7とも呼ばれる生産型。一部機体はM-30B/M-82エンジンを搭載