マーチン PBMマリナー飛行艇

Martin PBM"Mariner"

合衆国海軍航空隊 他

PBM-3C
米海軍のPBM−3Cマリナー

 1936年に米海軍から出された新型哨戒飛行艇の要求に従って翌年マーチン社によって設計が 行われた機体。マーチン社は最初からフルサイズの原型機製作を行わず、4分の1縮尺の単座モデ ル(マーチン162A)を製作し飛行試験を行った。米海軍は縮小型の性能に満足し、フルサイズ となる機体にXPBM−1の名称を付け原型機製作契約を行っている。
 大きなエンジンナセル内部に爆弾倉を持ち、900kgまでの爆弾や爆雷を搭載(後期生産型では主 翼下にも兵装搭載可能となり、エンジン出力を強化したモデルPBM−3Dでは3,682kgもの兵 装を搭載)可能だった。肩翼配置のガル翼やハの字形に配置された垂直尾翼など非常に特徴的なシル エットをしており、米海軍では対潜哨戒や海上救難などに使用した。また大戦中は英国やオーストラ リアにも供与されているが、この供与機はほとんど戦場へ出ることは無かった。
 有名なPBY飛行艇に比べ影 の薄い印象を受ける機体であるが、派生型も多く哨戒飛行艇として成功作であったと言えよう。

機体詳細データ(PBM−3D)
全長24.33m全高 8.38m
全幅35.97m翼面積130.80m2
自重15,000kg最大重量26,300kg
最高速度340km/h(高度460m)上昇限度6,035m
航続距離3,600km巡航速度不明
発動機ライト社製R-2600-22「サイクロン」星形複列空冷14気筒 1,900馬力×2基
乗員数7〜9名総生産機数1,405機(1,285機説あり)
武装12.7mm機銃×8、爆弾・爆雷最大3,682kgもしくは魚雷×2
主要タイプ Martin162A:原型機製作前に試作された縮尺モデル(単座)
XPBM-1:原型機として製作された機体。引き込み式補助フロート装備(1機)
XPBM-1A:武装試験用に改修された後のXPBM-1の呼称
PBM-1:最初の生産型。上反角のついた水平尾翼とハの字形垂直尾翼を採用(20機)
XPBM-2:カタパルト発進用装備を持つ原型機。細部はPBM-1に準ずる(1機)
PBM-3B:R-2600-12エンジン(1,700hp)装備モデル。補助フロートは固定式。英軍へ供与(32機)
PBM-3C:PBM-3Bの防弾装甲強化モデル。主翼下にも兵装搭載可能となった(274機)
PBM-3D:PBM-3Cの出力強化型。捜索レーダーや自動漏り止めタンク等も装備(201機)
XPBM-3E:レーダー開発のテストベッドに改造された機体の呼称(1機改造)
PBM-3R:PBM-3の武装を撤去し機内床を補強した貨物輸送型。客席20席も装備(50機)
PBM-3S:PBM-3Cベースの対潜哨戒型。機銃と爆弾搭載量を減じ搭載燃料を増加させた(156機)
XPBM-5:PBM-3Dの出力強化型原型。R-2800-34エンジン(2,100hp)搭載(2機)
PBM-5:XPBM-5の生産型。R-2800-22もしくは-34エンジン搭載。最多生産モデル(631機)
XPBM-5A:PBM-5に引き込み式主脚を装備した水陸両用モデル原型(1機)
PBM-5A:XPBM-5Aの生産型。米沿岸警備隊が海上救難任務に使用(36機)
PBM-5E:PBM-5に捜索レーダーを搭載した際の名称。PBM-5改修
PBM-5G:PBM-5を海上救難用に米沿岸警備隊へ譲渡した機体の呼称(4機譲渡)
PBM-5M:PBM-5Eをミサイル試験用に改修した後の呼称(1機改修)
PBM-5S:PBM-5に特殊な対潜機器を装備した試験機の呼称(改修数不明)