ノースロップ P−61ブラックウィドウ夜間戦闘機

Northrop P-61 "Black Widow"

合衆国陸軍航空隊

P-61
P−61A(機首レドームはレーダーの障害にならないよう無塗装である)

 大戦末期になって各国軍は夜間戦闘機として現行の機体にレーダーを搭載した機体を運用していたが、 最初からレーダーを搭載する専用設計の夜間戦闘機として開発されたのは、このP−61ブラックウィ ドウ(黒クモの意)が世界最初である。
 1942年に初飛行したこの機体は戦闘機としては大きすぎ (ダグラスA−26攻撃機とほぼ同 サイズであった)双胴の変わった形をしていたが、大馬力のエンジンとその大型主翼のおかげで運動性 はかなり軽快であった。
 最初の生産型であるA型の一部を除いて、胴体背面に戦艦の砲塔のような12.7mm4連旋回機銃が 搭載されており側方への銃撃も可能であった。
 しかし、あらゆる箇所で故障が多く発生し1944年前半までに229件もの設計変更を経て、戦場 へデビューしたのは1944年半ばのことであり、6月6日に日本軍の 一式陸攻を撃墜したのが初戦 果となっている。またヨーロッパ戦線でも8月から戦線で活躍し、ドイツ軍の戦闘機や爆撃機、飛行爆 弾(V−1)などの撃墜戦果を挙げている。

機体詳細データ(P−61B)
全長15.11m全高 4.47m
全幅20.11m翼面積61.53m2
自重10,600kg最大重量16,400kg
最高速度589km/h(高度6,100m)上昇限度10,100m
航続距離2,200km巡航速度428km/h
発動機プラット&ホイットニー R-2800-65「ダブルワスプ」空冷星形複列18気筒 2,000馬力×2基
乗員数 3名総生産機数 706機
武装12.7mm機銃×4(背面銃座)、20mm機関砲×4(胴体側面)、
最大2,900kgの外部兵装を主翼下4箇所の武装搭載点に搭載可能
主要タイプ XP-61:原型機。R-2800-10エンジン搭載
YP-61:実用テスト機。外板補強等を施した
P-61A:最初の生産型。途中から背面動力銃座は廃止された
P-61B:R-2800-65エンジン搭載。動力銃座復活。翼下にパイロン4箇所
P-61C:R-2800-73エンジン(緊急出力2,800hp)搭載。終戦のため生産数少数
XP-61D:過給器付きR-2800-77エンジン搭載の試験機。P-61A改修
XP-61E:機首レーダーを撤去、12.7mm機銃×4を追加した重戦闘機原型。P-61B改修
XP-61F:P-61CをXP-61E基準に改修した原型機。計画のみ
P-61G:天候偵察機。P-61B改修。装備は機体によりまちまち
XF-15:P-61Eを改修した非武装偵察機型原型
XF-15A:P-61CをXF-15同様の非武装偵察機に改修した原型
F-15A:P-61Cを改修した非武装偵察機型。XF-15A基準。生産機少数で打ち切り
F2T-1N:米海兵隊にて夜間戦闘機練習機として使用されたP-61Aの呼称