ベル P−39エアラコブラ戦闘機

Bell P-39 "Airacobra"

合衆国陸軍航空隊 他

P-39
米国陸軍航空隊のP−39D

 1935年に設立されたばかりの新参航空機メーカーであるベル社は、36年6月にまったく新しい形の 戦闘機製作に着手した。ベル社が示した仕様書によるとこの飛行機は「エンジンを操縦席の後ろに搭載 し延長軸でプロペラを回すという方法をとっており、重心が機体中央になり旋回性能がアップし、また 機体を流線型に出来るため高速度の発揮が可能」「機首にエンジンが無いため、大型火器の機首搭載が 可能」という戦闘機として傑出した機体となるはずであった。
 この期待できる設計仕様に目が眩んだ連合軍各国はこの戦闘機を大量発注し、P−39エアラコブラと して採用した。しかし実戦配備されてから、仕様より50km/hも遅い速度や、不満足な高空性能(こ れは機体が原因ではなく、搭載したアリソンV−1710エンジンが高々度用過給器を持たなかったため である)、火器発射後に操縦席へ一酸化炭素が充満すること、機動性や加速性が各国最新鋭戦闘機に劣る など致命的な欠陥がなんと19箇所も出てきてしまい、42年はじめには米英軍の戦闘任務から外されて しまった。
 だが、その余剰機(および供与用に製造された機体)を手に入れたソビエトの操縦士達には、本機の 頑丈さや強力な武装などが歓迎された。そのため本機はヨーロッパ東部戦線で主に活躍したが、太平洋 戦争初期には少数機が太平洋戦線でも使用されており日本軍の操縦士達は、その形状からカツオブシと いうあだ名をつけていた。

機体詳細データ(P−39M)
全長 9.19m全高 3.61m
全幅10.36m翼面積19.79m2
自重2,545kg最大重量3,810kg
最高速度621km/h(高度2,895m)上昇限度10,970m
航続距離1,046km巡航速度322km/h
発動機アリソン V1710-83 液冷V型12気筒 1,200馬力×1基
乗員数 1名総生産機数9,558機
武装7.62mm機銃×4、12.7mm機銃×2、37mm機関砲×1、227kg爆弾×1
主要タイプ XP-39:米陸軍発注の原型機呼称
YP-39A:実用試験機(生産前機)初期型の呼称
YP-39B:NACA(米国航空諮問委員会)の改善勧告を取り入れた生産前機
P-39C:YP-39Bの生産発注型。初期生産型
P-39D:P-39Cに対弾装甲改善、兵装変更を施した型。大半は海外供与用
カリブーI:P-39Dの英国名称。米国への返還機はP-400と呼ばれた
P-39E:層流翼を装備した空力試験機の呼称
P-39F:エアロプロダクツ社製プロペラ、排気短筒装備のモデル
TP-39F:複座練習機型。複操縦装置を備えた転換練習機
P-39J:P-39Fの改良型。エンジンブーストが自動操作となった
P-39G:社内呼称P-39KまたはP-39Lの米陸軍総称
P-39K:V1710-63エンジン搭載機の社内呼称。エアロプロダクツ社製プロペラを装備
P-39L:V1710-63エンジン搭載機の社内呼称。カーチス社製プロペラを装備
P-39M:エンジン出力の低いモデル。直径が大きいプロペラを装備
P-39N:ソビエト供与用モデル。操縦席装甲版を防弾ガラスに変更したため重量減
P-39Q:主要生産型。ただし大半はソビエトへの供与用。多数の改良型が存在
RP-39Q:複座型。主に転換練習機として使用
XFL-1:米海軍向けの艦上戦闘機型原型機。採用されず
F2L:無人標的機用として米海軍に譲渡された機体の呼称