コンソリデーテッド P2Yレンジャー飛行艇

Consolidated P2Y "Ranger"

合衆国海軍航空隊

P2Y-3
米海軍第7哨戒飛行隊(VP−7F)のP2Y−3飛行艇

 1930年代初頭に米海軍が発注した哨戒飛行艇。1葉半の鋼管構造布張り主翼と金属製 外皮の胴体を持つ機体であった。当初の計画では3発機として開発が行われていたが、原型 機の飛行テスト後に中央のエンジン(機体中央主翼上に取り付けられた)は撤去され、双発 機となっている。
 1933年頃から部隊配備が始まり、いくつかの哨戒飛行隊(Patrol Squadron)に配置 され長距離編隊飛行(1933年9月7日に米海軍VP−5(第5哨戒飛行隊)所属のP2 Y−1(6機)がノーフォーク〜パナマ間3,314キロを25時間19分かけて飛行し、 当時の飛行艇無着陸飛行記録を更新し、また翌年1月にはVP−10所属の機体がサンフラ ンシスコ〜オアフ間の太平洋横断飛行に成功している)などで有名になったが、後継となる PBYカタリナが完成し、 配備が始まると順次置き換わるように第一線を退いていった。
 太平洋戦争が始まった1941年末頃には全機が第一線部隊から退いており、一部の機体 がペンサコラ基地(Pensacola Naval Air Station)で訓練用に使用されているのみであった が、これらの機体も1943年頃までに全機退役となっている。
 ちなみに少数の機体がアルゼンチン(6機)、コロンビア(1機)、日本(1機)へ輸出 されており、日本が輸入した機体は海軍と川西航空機により新型飛行艇開発のための研究資 料として利用されている。

機体詳細データ(P2Y−3)
全長18.82m全高 5.82m
全幅30.48m翼面積140.65m2
自重5,792kg最大重量11,460kg
最高速度240km/h上昇限度4,265m
航続距離1,900km巡航速度180km/h
発動機ライト R-1820-90「サイクロン」 空冷星形9気筒 750馬力×2基
乗員数 5名総生産機数55機(78機説あり)
武装7.62mm機銃×3(機首1、背部2)、最大2,000lb(907kg)の爆弾・爆雷を搭載
主要タイプ XPY-1:1920年代末に完成した高翼単葉飛行艇原型
Model 16:ベースとなった民間向飛行艇の社内モデル名称。乗員3+乗客22
XP2Y-1:原型機。当初は3発機として完成。後に双発へ改修された(1機)
P2Y-1:初期生産型。R-1820-E1エンジン(600hp)搭載(22機)
P2Y-1A:アルゼンチン向けの輸出機体。R-1820-Fエンジン搭載(6機)
P2Y-1C:コロンビア向けの輸出機体。R-1820-F2エンジン(720hp)搭載(1機)
P2Y-1J:日本向けの輸出機体。R-1820-F2エンジン搭載(1機)
XP2Y-2:出力強化型の原型。エンジンナセルを主翼下吊り下げから主翼前縁成形へ改めた(1機)
P2Y-2:XP2Y-2に準ずる改修を施したP2Y-1の改修後呼称。R-1820-88エンジン搭載
P2Y-3:最終生産型。R-1820-90エンジン搭載(23機)