ヴォート O2U/O3Uコルセア観測機

Vought O2U/O3U "Corsair"

合衆国海軍航空隊 他

O2U-4

O3U-3
(上段)米海軍のO2U−4 / (下段)米海軍観測飛行隊VO−4所属のO3U−3 (コロラド配備機)

 1920年代にヴォート社は、VE−7と名付けられた全金属製複葉固定脚の機体を米陸海軍へ 納入していた。20年代後半になってVE−7の優秀性に満足した米海軍は、FU(単座型)/U O(複座型)の名称で発展改良モデルの調達を行った。同時期に複座観測機の発注も受けたヴォー ト社ではUOの改良を行い、1927年からO2U”コルセア”の名称で納入を開始した。
 O2Uの初期型はUOの発展型に過ぎなかったが、すぐに主翼を洗練した改良モデルに代わるこ とになり、30年代初頭には機体強化とエンジン換装を施したO3Uへモデルチェンジしていった。 O2U/O3Uは車輪とフロートを交換することで陸上(艦上)用と水上用の両方に対応すること が可能な機体で、能力的にも申し分ないものだったため南米諸国や中国などにも輸出されており、 スペイン内乱(1936〜39、メキシコ軍により派遣)、中原大戦や上海事変(1930〜32、中国国民党 軍により使用)、コロンビア・ペルー戦争(1932〜33、ペルー軍により使用)などで活躍した。ま たドイツや日本もごく少数機を参考機体として輸入している。
 第二次大戦勃発のころには旧式化していた当機であるが、米海軍(および海兵隊、沿岸警備隊) では多数の機体が第二線任務に従事しており、少数の機体は米海軍航空工廠の手で無線操縦無人機 に改造され標的任務に従事した。
 後に”コルセア”の愛称はF4UA−7に引き継が れており、ヴォート社を代表する機体愛称として親しまれている。

機体詳細データ(SU−4)
全長 8.37m全高 3.45m
全幅10.97m翼面積31.31m2
自重1,502kg最大重量2,161kg
最高速度270km/h(海面高度)上昇限度5,670m
航続距離1,100km巡航速度不明
発動機プラット&ホイットニー R-1690-42 空冷星形9気筒 600馬力×1基
乗員数 2名総生産機数580機
武装7.62mm機銃×3(前方固定1、後方旋回2)
主要タイプ O2U-1:UOの発展型となる初期生産型。P&W R-1340-88エンジン(450hp)搭載(132機)
O2U-2:主翼を拡大洗練した改良型。米海軍と沿岸警備隊向け(37機)
O2U-3:尾翼を再設計した改修型。R-1340-Cエンジン搭載(80機)
O2U-4:O2U-3に似るが装備品が異なる機体(42機)
O3U-1:O2U-4に似るがグラマン式水陸両用フロートを装着したモデル(87機)
O3U-2:機体構造強化、R-1690エンジン搭載の強化型(29機)
O3U-3:O3U-2のエンジンをR-1340-12エンジン(550hp)に変更したモデル(76機)
O3U-4:O3U-3に似るがR-1690-42エンジンを装備したモデル(65機)
SU-1:改称後のO3U-2およびO3U-3の呼称
SU-2:改称後のO3U-4の呼称
SU-3:改称後のO3U-4(低圧タイヤ装着モデル)の呼称
SU-4:SU-2に準じる新規製作モデル(20機)
XO3U-5:SU-2にP&W R-1535エンジンを搭載した実験機(1機改修)
XO3U-6:O3U-3にNACAカウリングと密閉式風防を装着した試作機(1機改修)
O3U-6:XO3U-6に準ずる生産型。R-1340-12もしくはR-1340-18エンジン装備(32機)
V-65B:ブラジル向けの輸出型呼称。同国向けは他にV-66B、V-65Fがある
V-65C:日本向けの輸出型呼称。同国向けは他にV-92Cがある
V-65F:アルゼンチン向けの輸出型呼称。同国向けは他にV-66F、V-80Fpがある
V-80P:ペルー向けの輸出型呼称
V-85G:ドイツ向けの輸出型呼称
O2U-2M:メキシコ向けの輸出型呼称。同国向けは他にV-99Mがある
O2U-4A:メキシコでライセンス生産された機体の呼称