ニューポール・ドラージュ Ni−D62戦闘機

Nieuport-Delage Ni-D 62

フランス空軍 他

Ni-D 622
単座戦闘機型初期生産型のNi−D62

 第一次大戦末期から大戦終結後にかけてNi−D29やNi−D42といった優秀な戦闘機を設計して いた航空機設計者ギュスターヴ・ドラージュ[Gustave Delage]は1927年にNi−D42の木製構造を 引き継いだ単座戦闘機Ni−D62原型機を完成させた。
 ニューポール社競速機の流れを汲むNi−D42(この機体は1920年代〜30年代に少数が海外の 仏空軍部隊で使用された)を改良、若干の構造強化と補助翼付き主翼の採用、水平安定板の拡大を施され ているが、ニューポール機の特徴である主脚車輪軸に取り付ける補助翼も備えており、ドラージュが設計 した複葉機の最終形態とも言える機体であった。
 原型機完成の翌年にはフランス空軍から量産型(最終的に265機)の発注を受け、ほぼ同時期に海軍 航空隊からも50機が発注された。海軍の機体のうち3機は降着装置を双フロート式に改められ、シュナ イダー杯(1913年から31年まで年1回行われた水上機の国際レース。フランスの富豪ジャック・シ ュナイダー[Jacques Schneider]が大会のパトロンであったが、フランスは第一回に優勝したのみで、第 二回以降は一度も優勝できなかった)に出場する操縦士の訓練に使用されている。
 しかし時代は複葉固定脚機から単葉引込脚機へと移り変わりつつあり、当機も1930年代後半には第 一線を退き、操縦訓練部隊や予備部隊へ配属されるようになった。1940年にドイツ軍がフランスへ侵 攻した際に、まだ140機あまりの機体が仏空軍に残されていたが、フランスを占領したドイツ軍は旧式 な当機に興味を示さず、全機が廃棄処分されてしまっている。

機体詳細データ(Ni−D622)
全長 7.63m全高 3.00m
全幅12.00m翼面積29.00m2
自重1,378kg最大重量1,837kg
最高速度270km/h(高度5,000m)上昇限度7,700m
航続距離 900km巡航速度不明
発動機イスパノスイザ 12Md 液冷V型12気筒 500馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 687機+原型
武装7.7mm機銃×2(前方固定)
主要タイプ Ni-D 62:原型機を含む初期生産型。12Hbエンジン(500hp)搭載(315機+原型)
Ni-D 621:海軍向けNi-D62に双フロートを付けた操縦練習機型(3機改修)
Ni-D 622:12Mdエンジン(500hp)を搭載した軽量/能力向上型(310機)
Ni-D 623:Ni-D622を改造した速度記録専用の試験機(1機改修)
Ni-D 624:Ni-D622を改造した単座競速機(1機改修)
Ni-D 625:Ni-D622を改造したパラシュート実験機(1機改修)
Ni-D 626:Ni-D622に準ずる輸出モデル。ペルーに輸出された(12機)
Ni-D 629:過給器付き12YMdエンジンを搭載した高空性能改善型(50機)