モラーヌソルニエ MS406戦闘機

Morane-Saulnier M.S.406

フランス空軍 他

MS406C-1
MS406C−1戦闘機

 1934年にフランス航空省が出した新単座戦闘機の要求に応えてモラーヌソルニエ社が設計したMS405は 基本的な全金属製構造の低翼単葉機で、引き込み脚を装備するなど新時代に対応しようとしていた部分もあったが 支持付きの水平安定板や一部羽布張りの胴体など旧式機の特徴も備えていた。
 航空省当局はMS405の改修を盛り込んだ生産型MS406を審査、その結果さらに改修を施した機体をMS 406C−1として制式採用した。なお17機ほど制作されたMS405は実験機として使用された。
 1938年の発注後、第二次大戦が勃発しフランスが降伏するまでに1,000機以上の機体が空軍に納入され たが、ドイツのメッサーシュミットBf109Eと 比べると能力的に劣っており、175機のドイツ機を撃墜するも自らに400機以上の損害を出している。フランス降伏 後はビシー政府の1個大隊のみが当機体を使用した。
 主翼の強化や推進式排気管など空力的な洗練を施した改良型MS410が1939年に開発されているが、これ はフランス降伏のため量産に移されておらず、MS410基準の主翼だけがドイツ軍の監視下で生産され、ビシー 政府が使用するMS406C−1に流用されている。
 完成したMS406は輸出市場にも出され、中国、フィンランド、リトアニア、トルコ、ポーランドなどの発注 を受けたが、第二次世界大戦の勃発により海外への納入は少数にとどまった。なお、フィンランドに納入された機 体の大半はソビエトから捕獲したクリモフM−105Pエンジン(1,100馬力)に換装され、性能を向上した 戦闘機として「メルケモラーニ」の名称を付けられ対ソビエト戦に活躍した。

機体詳細データ(MS406C−1)
全長 8.15m全高 2.80m
全幅10.60m翼面積16.00m2
自重1,900kg最大重量2,500kg
最高速度485km/h(高度5,000m)上昇限度9,400m
航続距離 800km巡航速度不明
発動機イスパノスイザ 12Y-31 液冷V型12気筒 860馬力×1基
乗員数 1名総生産機数1,081機(フランスへの納入数)
武装7.5mm機銃×2、20mm機関砲×1
主要タイプ MS405:12Ygrsエンジン(860hp)搭載の原型機
MS406:MS405に改修を施した原型機。12Y-31エンジン搭載
MS406C-1:MS406に基づく生産型のフランス軍呼称
MS410:空力的に洗練された改良型。仏降伏のため量産されず
MS411:MS406C-1の機体に12Y-45エンジン(1,000hp)を搭載した機体。試作のみ
MS412:MS411同様の出力強化型。12Y-51エンジン(1,050hp)搭載。未完成
MS430:複座非武装の中間練習機型。サルムソン空冷エンジン(390hp)搭載
MS435:MS430の出力強化型。グノーム・ローヌ9Kエンジン(550hp)搭載
MS450:MS410の機体に12Zエンジン(1,300hp)を搭載する発展型。計画のみ
D-3800:スイスでライセンス生産された機体。国営EKW等で76機製造
D-3801:未完成のMS412を参考にスイスで製造された発展型。224機がスイス軍に就役
Mörkö Morane:フィンランド空軍に納入された機体呼称。M-105Pエンジン搭載