デハビランド DH98モスキート戦闘爆撃機

de Havilland DH98 "Mosquito"

英国空軍 他

Mosquito
英軍のモスキートB.MkIV(爆撃・偵察型)

 第2次世界大戦で最も活躍した連合国機の一つであり、戦後は映画の主役(?)にもなったモスキートであるが、 その誕生は決して歓迎されたわけではなかった。
 他の名機の多くは軍の要求仕様書に基づいて設計制作されるが、このモスキートは空軍の猛反対を押し切って製 造され、ダンケルク撤退後に3度も製造計画が中断されたほどであった。全木製で非武装の爆撃機が有効であるは ずがないという官僚たちの反対もあり、偵察機として製造が認められたのは1940年3月のことであった。
 設計値での最高速度がスピットファイアよ り30km/hも速いことなど空軍関係者の誰もが信じていなかったのだが、1941年2月に試験飛行を行った 原型機が630km/hという最高速を出し、当時の英国最高速戦闘機の記録を30km/h以上上回ったときの 空軍省の驚きは如何様なものであっただろうか。
 正式採用後のモスキートは各種の派生型・改良型が製造され、爆撃機・偵察機・雷撃機・高々度戦闘機・夜間戦 闘機・戦闘爆撃機・電子戦機など多種多様の任務に従事した。
 戦後もモスキートの製造は続けられ、最後のモスキートは1950年11月に引き渡され、英連邦以外にもベル ギー、中国、チェコスロバキア、デンマーク、ドミニカ、フランス、イスラエルなどの多数の国で使用された。

機体詳細データ(モスキートFB.MkVI【戦闘爆撃機型】)
全長12.47m全高 4.65m
全幅16.51m翼面積42.18m2
自重6,486kg最大重量10,115kg
最高速度583km/h(高度1,675m)上昇限度10,060m
航続距離2,655km巡航速度523km/h(高度4,570m)
発動機ロールスロイス「マーリン」XXV 液冷V型12気筒 1,620馬力×2基
乗員数 2名総生産機数7,781機
武装7.7mm機銃×4、20mm機関砲×4、爆弾最大2,000lb(907kg)
機体詳細データ(モスキートB.MkXVI【爆撃機型】)
全長13.57m全高 5.30m
全幅16.52m翼面積42.18m2
自重6,490kg最大重量11,000kg
最高速度668km/h(高度8,500m)上昇限度11,000m
航続距離2,400km巡航速度不明
発動機ロールスロイス「マーリン」76/77 液冷V型12気筒 1,710馬力×2基
乗員数 2名総生産機数上記参照
武装爆弾最大4,000lb(1,814kg)
主要タイプ DH98:原型機。マーリンRM-3SMエンジン搭載
Mosquito PR.I:非武装偵察機型。マーリンXXIエンジン搭載
Mosquito F.II:機上レーダー、20mm機関砲×4装備の夜間戦闘機型。NF.IIとも呼称
Mosquito T.III:複操縦装置搭載型の練習機型。マーリン21、22、23エンジン搭載
Mosquito B.IV(i):PR.I改造の爆撃機型。爆弾2,000ポンド搭載
Mosquito B.IV(ii):最初の生産型爆撃機。一部機体には1,800kg爆弾用爆弾倉を装備
Mosquito PR.IV:B.IV(ii)を改造した偵察機型
Mosquito B.V:翼下に武装搭載点を装備したB.IV改良型。原型のみ
Mosquito FB.VI:戦闘爆撃機型。F.IIと同じ武装+爆弾2,000ポンド搭載
Mosquito B.VII:カナダで製作された機体。装備はB.IV(ii)に準ずる
Mosquito PR.VIII:PR.IVにマーリン61エンジンを搭載した偵察機型
Mosquito B.IX:高々度爆撃機型。爆弾1,800kg搭載。一部機体は機上レーダー装備
Mosquito PR.IX:B.IXと同様のエンジンを搭載した偵察機型
Mosquito NF.X:高々度夜間戦闘機の提案型。製作されず
Mosquito FB.XI:高々度戦闘爆撃機の提案型。製作されず
Mosquito NF.XII:AI Mk.8レーダー装備の夜間戦闘機型。F/NF.IIを改造
Mosquito NF.XIII:NF.XIIと同様の装備を持つ新造夜間戦闘機型
Mosquito NF.XIV:NF.XIIIに過給器エンジンを搭載した高々度型提案。製作されず
Mosquito NF.XV:主翼幅延長、与圧操縦席装備の高々度夜間戦闘機。B.IV改造
Mosquito B.XVI:与圧操縦席を持つB.IX発展型。爆弾1,800kg搭載
Mosquito PR.XVI:B.XVIと同様のエンジンを搭載した偵察機型。与圧操縦席
Mosquito NF.XVII:NF.IIに米国製AI Mk.10レーダーを装備した夜間戦闘機。NF.II改造
Mosquito FB.XVIII:FB.VIに57mm機関砲とロケット弾を装備した対戦車・対艦攻撃機
Mosquito NF.XIX:NF.XIIIをベースに搭載レーダー交換可能な機首を装備した型
Mosquito B.XX:カナダで製作された機体。装備はB.IV(ii)に準ずる
Mosquito FB.21:カナダで製作された機体。装備はFB.VIに準ずる
Mosquito T.22:カナダで製作された機体。装備はT.IIIに準ずる
Mosquito B.23:カナダで製作予定だった機体。装備はB.IXに準ずる。製作されず
Mosquito FB.24:カナダで製作予定だった機体。高々度型。製作されず
Mosquito B.25:カナダで製作された機体。装備はB.XXに準ずる
Mosquito FB.26:カナダで製作された機体。パッカード製エンジン装備。FB.21準拠
Mosquito T.27:カナダで製作された機体。パッカード製エンジン装備。T.22準拠
(Mk.28に相当する番号は割り当てられていない)
Mosquito T.29:FB.26を改造して製作された練習機型
Mosquito NF.30:高々度夜間戦闘機型。初期の電子妨害装置を搭載している
Mosquito NF.31:NF.30にパッカード製エンジンを装備する提案型。製作されず
Mosquito PR.32:NF.XVと同様のエンジンを搭載した高々度偵察機型
Mosquito TR.33:海軍用偵察雷撃機型。空母運用装備搭載。武装はFB.VI準拠
Mosquito PR.34:張り出した追加燃料タンク装備の長距離偵察機型。戦後の主力偵察機
Mosquito B.35:B.XVIに与圧乗員室を装備した発展型高々度爆撃機型。就役は戦後
Mosquito NF.36:NF.30に似るが、より高々度飛行に適応したエンジンを装備
Mosquito TR.37:TR.33に英国製ASV.13レーダーを装備した機体
Mosquito NF.38:NF.30に英国製AI.9レーダーを装備した機体
Mosquito TT.39:B.XVIを標的曳航機に改造した後の呼称。英海軍向け
Mosquito FB.40:オーストラリアで製作された機体。装備はFB.VIに準ずる
Mosquito PR.40:オーストラリアで製作された機体。偵察機型。FB.40改造
Mosquito FB.41:過給器エンジンを搭載した高々度夜間戦闘機原型。FB.40ベース
Mosquito PR.41:過給器エンジンを搭載した高々度偵察機原型。PR.40ベース
Mosquito FB.42:FB.40にマーリン69エンジンを搭載した改造機
Mosquito T.43:オーストラリアで製作された機体。装備はT.IIIに準ずる