メッサーシュミット Me163コメート戦闘機

Messerschmitt Me163 "Komet"

ドイツ空軍

Me163
着陸滑走中のMe163B

 この史上初の実用ロケット戦闘機の元になったのは1920年代にアレクサンダー・リピッシュ(Alexander Lippisch) 博士が研究していた無尾翼グライダーで、博士はロケット推進の研究にも熱中していた。しかし1939年にハインケ ル社との共同開発で博士が開発したHe176ロケット機は最低の出来で、ドイツ航空界が抱いていたロケット機への 興味を一気に失わせるほどのものであった。
 だが1940年にリピッシュ博士がメッサーシュミット社と組んで初飛行させたDFS194は予定速度を200k m/h以上も上回る成績を出し、これにより一気にロケット機の開発研究熱が高まることとなった。
 こうして開発されたロケット機Me163であるが、過酸化水素水とヒドラジンの反応を利用した薬液ロケットエン ジンは非常に危険で常に爆発のおそれがあったし、何よりも燃焼時間が短かった。また重量軽減(と構造上の問題)の ため機体に降着装置が無く、離陸は台車に乗った状態で滑走(離陸後台車は切り離す)、着陸は胴体に付いたソリで滑 走するという仕様になっており、非常に離着陸が危険な機体であった。
 1943年から第一線に配備されたが、エンジンの燃焼時間の短さから目立った戦果を挙げられず、上空で燃料切れ になったMe163はただのグライダーでしかなかったので、迎撃の帰路では連合軍戦闘機のいいカモになった。
 しかし火を吹きながら高速で迫り来るこの戦闘機の迎撃を受けた連合軍爆撃隊の驚愕は相当のものであったという。

機体詳細データ(Me163B−1a)
全長 5.85m全高2.76m(台車上)
全幅 9.40m翼面積18.50m2
自重1,900kg最大重量4,300kg
最高速度960km/h(高度10,000m)上昇限度12,100m
航続時間ロケット燃焼時間7分30秒巡航速度825km/h(ロケット巡航)
発動機ヴァルター HWK503A-1(又はA-2)薬液混合ロケット 静止推力1,700kg×1基
乗員数 1名総生産機数約400機
武装30mm機関砲×2
主要タイプ DFS194:原型機。安定性と操縦性研究のための補助ロケット付きグライダー
Me163A:より強力なロケット、ワルターII-203bを搭載したエンジン試験機
Me163A-0:A型に類似した練習機型
Me163B-1:生産型迎撃機。20mm機関砲×2。HWK503ロケット搭載
Me163B-1a:主要生産型。30mm機関砲×2を装備
Me163S:中央胴体に教官席を追加した無動力複座練習機。ごく少数生産
Me163C:巡航性能を改善したHMK509C-1ロケット(推力2,000kg)搭載の改良型。30mm機関砲×4
Me163D:3車輪式降着装置を装備した新設計の改良型
Me263:搭載燃料を増加させ航続時間延長を図った機体。原型のみ
Ju248:ユンカース社で設計された機体。D型同様の3車輪式