チェトベリコフ MDR−6(Che−2)飛行艇

Chetverikov MDR-6(Ch-2)
Четвериков МДР-6 (Че-2)


ソビエト赤軍

MDR-6A
液冷M−105エンジンを搭載したMDR−6B−1
MDR-6B-5
MDR−6シリーズの最終機体であるMDR−6B−5

 民間航空科学研究所に所属していたイゴール・チェトベリコフ (И.В. Четвериковым)が設計開発した全金属製の3座沿岸哨戒飛行 艇。1937年に原型機が完成し、MDR−6(MDRはморской дальний разведчик: 長距離洋上哨戒機の略)と名付けられた機体は、翌38年にエンジン出力を強化したMDR−6Aへと進化し、 ソビエト海軍に50機(17機との説もある)が納入された。
 チェトベリコフはMDR−6Aの設計を更に洗練し、MDR−6B−1を開発したがこの機体は受け入れ られず、−2〜−4と引き続き徹底的な再設計が繰り返されたが、米国から供与される PBY飛行艇が優秀であったため量産化 の命令を受けることは出来なかった。
 自身の基本設計に固執したチェトベリコフは最終形態ともいえるMDR−6B−5を開発、戦後の194 6年に海軍の試験を受けたが、長大な航続能力に比較して機内の作業スペースが小さいことなどを理由にベ リエフBe−6との競争に敗れ、それ以降の開発は行われなかった。
 ちなみに1941年にソビエト海軍の機体呼称方法に変更があったため、それまでMDR−6Aと呼ばれ ていた機体は、以降Che−2と呼称されるようになっている。

機体詳細データ(MDR−6A(Che−2))
全長15.73m全高 4.30m
全幅19.40m翼面積52.30m2
自重4,100kg最大重量6,700kg
最高速度360km/h上昇限度9,000m
航続距離2,650km巡航速度220km/h
発動機シュベツォフ M−63 空冷星形9気筒 1,100馬力×2基
乗員数3名総生産機数50機(MDR-6A:17機説あり)
武装12.7mm機銃×1(背部銃座)、7.62mm機銃×1(機首銃座)、爆弾1,000kg
主要タイプ MDR-6:M-25Eエンジン(730hp)搭載の原型機
MDR-6A:M-63エンジン(1,100hp)搭載の採用型。後にChe-2と呼称変更された(50機)
Che-2:1941年以降のMDR-6Aのソビエト海軍呼称
MDR-6B-1:基本設計を洗練し双垂直尾翼となった試作機。M-105エンジン(1,050hp)搭載
MDR-6B-2:MDR-6B-1に似た試作機。滑水面部を改良
MDR-6B-3:M-105PFエンジン(1,150hp)搭載の改良型試作機
MDR-6B-4:艇体を再設計した試作機。胴体側面に張り出し式の銃座を持つ
MDR-6B-5:VK-107エンジン(1,700hp)搭載の試作機。これまでの機体とは設計共通点が少ない。4座