マイルズ M9/19/24/27マスター高等練習機

Miles M.9/19/24/27 "Master"

英国空軍 他

M9A Master Mk.I
英空軍のM9Aマスター高等練習機

 1930年代後半になって英空軍の主力戦闘機がハリケーンスピットファイア等の高性能機へ 切り替わって行くのに伴って、操縦士養成の最終段階で使用する高等練習機の性能強化も必要であると 考えられるようになった。そこでマイルズ社では自社費用負担で低翼単葉の練習機案を航空省へ提出し たが、この案は時期尚早だとして却下されてしまった。
 マイルズ社では民間向けのスポーツ機として機体開発を継続、1937年6月に初飛行した原型機は 翌7月に開催されたヘンドン(Hendon:大ロンドン北東部の都市)航空ショーにてM9ケストレルの名 称で一般に公開された。この機体は当時の最新鋭戦闘機であるハリケーンよりも僅か20キロ/時ほど 遅い最高速度を持つ高性能な機体で、しかも運動性能はハリケーンやスピットファイアに負けないもの を示した。そこで航空省はM9Aマスターの名称でマイルズ社に対して高等練習機の発注を行うことと なった。
 生産型となるM9Aは原型機よりも出力を下げたエンジン搭載を仕様書にて指示されたため、最高速 度は低下したが、それでも当時各国が保有する高等練習機の中では最も高い能力を持つ機体であった。 しかし、ケストレルエンジンの製造供給が終了しつつあった状況から、1939年にはマーキュリーエ ンジンを搭載するM19マスターIIへ製造は切り替わっていったが、その後第二次大戦開戦による増産 が必要になった際、マーキュリーエンジンの製造供給も不足したため、米国から供与されたツインワス プエンジンを搭載するM27マスターIIIが開発されることになった。
 またM9Aマスターに7.7ミリ機銃を6丁搭載した戦闘練習機M24マスター・ファイターも少数 が生産されているが、この機体は訓練だけでなく英本土防空のため実戦任務にも参加している。
 最終的に三千機以上が生産されており、南アフリカやエジプト、トルコなどにも供給が行われた。

機体詳細データ(M9Aマスター
全長 9.29m全高不明
全幅11.89m翼面積21.83m2
自重1,982kg最大重量2,528kg
最高速度363km/h上昇限度7,700m
航続時間3H巡航速度257km/h
発動機ロールスロイス「ケストレル」XXX 液冷V型12気筒 720馬力×1基
乗員数 2名総生産機数3,227機
武装7.7mm機銃×1(前方固定)、訓練用爆弾を搭載可能
機体詳細データ(M19マスターII)
全長 8.99m全高 2.82m
全幅11.89m翼面積21.83m2
自重1,947kg最大重量2,528kg
最高速度389km/h上昇限度7,650m
航続距離 630km巡航速度368km/h
発動機ブリストル「マーキュリー」XX 空冷星形9気筒 870馬力×1基
主要タイプ M.9 Kestrel:原型機。ケストレルXVIエンジン(745hp)搭載。量産されず
M.9A Master I:ケストレルXXXエンジン搭載の初期生産型
M.9C Master IA:翼端を切りつめた改良型
M.19 Master II:ブリストル・マーキュリーXXエンジン(870hp)搭載型
M.27 Master III:P&W R-1535-SB4Gツインワスプエンジン(825hp)搭載型
M.24 Master Fighter:M.9Aを単座化し、7.7mm機銃×6を主翼内に搭載した戦闘練習機型