マイルズ M20試作戦闘機

Miles M.20

英国空軍

M.20
M.20試作戦闘機2号機

 第二次大戦緒戦の激烈な空戦で多大な損害を負った英国空軍は、戦闘機不足を解消するため ハリケーンスピットファイアの増産に 力を注いでいたが、高性能がゆえに大量生産に若干不向きだったスピットファイアはスーパー マリン社技術陣の努力にもかかわらず軌道に乗っていない状況だった。
 1940年になってマイルズ社は英航空省に対して、自社のマスター高等練習機の 部品を流用した戦時急造の軽戦闘機開発を提案し、同年5月に仕様書F.19/40を発行さ せ開発を受注することに成功した。同社は7月から全木製戦闘機の試作を開始し、同社技術陣の 寝食を忘れたような奮闘で9週間後には原型1号機の初飛行を無事成功させている。
 戦時急造型ということで、主脚は固定脚(引込脚にすると設計や製作が複雑化し、また車輪引 込の機構分だけ重量が増加するため)とされていたが、エンジンはハリケーンの最新型(Mk.II) と同じマーリンXXが搭載され、武装も7.7ミリ機銃8丁と強力なものであった。空力的に洗 練され、水滴型風防をつけた機体は、ハリケーンと同等の最高時速を発揮し、さらに航続距離( 滞空時間)はハリケーンやスピットファイアを凌ぐ性能を見せた。
 しかし、1940年末になると当機やハリケーンよりも優秀なスピットファイアの量産が軌道 に乗り始め、不足する戦闘機を充分に補充できる体制が整いつつあったため、当機は空軍 に採用されず、計画はキャンセルとなってしまった。マイルズ社では翌41年にカタパルト発進 を可能とする改造を原型2号機に施し、航空省仕様書N.1/41が求めた貨物船から発進する 船団護衛戦闘爆撃機として提案したが、こちらも採用されずに終わっている。

機体詳細データ(M.20原型機(一部計画値))
全長 9.35m全高 3.81m
全幅10.54m翼面積21.74m2
自重2,663kg最大重量3,629kg
最高速度536km/h(高度6,218m)上昇限度9,997m
航続距離1,930km巡航速度不明
発動機ロールスロイス「マーリン」XX 液冷V型12気筒 1,390馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 2機
武装7.7mm機銃×8
主要タイプ M.20:試作戦闘機のモデル名称。1号機はM.20/2、2号機はM.20/4と呼称された