ラテコエール 611飛行艇

Latécoère 611

フランス海軍

Late 611
1機だけ完成したラテコエール611原型機

 フランス海軍が1935年5月に出した長距離洋上哨戒/爆撃飛行艇の要求に応えて開発された機体。 これは旧式化していたブレゲー521ビゼルト飛行艇を 更新するためのものであったが、非常に優秀な長距離飛行能力を持つビゼルト飛行艇の後継ということ もあって、新型飛行艇に対する要求は厳しいものであった。
 ラテコエール社は大型で全金属製の片持ち高翼単葉四発飛行艇原型機ラテコエール(以下ラテと略す) 611を完成させ、1939年3月初飛行に成功した。当時のフランス軍が保有する第一線機に標準的 に装備されていたグノームローヌ14Nエンジンを4基搭載し、V字型の水平尾翼端に乗った双垂直尾 翼を持つ機体で、水面上で使用する補助フロートは飛行中の抵抗を抑えるため外側エンジンナセルの下 に引き込まれるようになっていた。
 フランス海軍は39年末にエンジンをプラット&ホイットニー社製エンジンに変更した量産型(ラテ 612と呼称された)を12機発注した。しかし、この量産型は翌年のフランス降伏までに1機も完成 できなかった。
 原型機ラテ611は40年4月に仏海軍へ納入され、6月には北アフリカへ送られたが、すぐにフラ ンスは降伏してしまった。同機は他機との衝突事故で損傷してしまったため、修理の後41年10月か らビシーフランス海軍のもとで任務に従事することになった。
 翌42年11月には所属する部隊 (4E飛行隊)は自由フランス軍側へ付いたため同機は連合軍と共に南大西洋の哨戒任務に従事するよ うになった。
 戦後、同機は民間機として輸送業務に従事していたが、1947年2月に事故で喪われてしまった。

機体詳細データ(ラテコエール611)
全長27.06m全高 7.65m
全幅40.55m翼面積195.10m2
自重16,034kg最大重量26,555kg
最高速度350km/h上昇限度不明
航続距離4.250km巡航速度180km/h
発動機グノーム・ローヌ 14N30/31 空冷星形複列14気筒 980馬力×4基
乗員数7名総生産機数1機
武装25mm機関砲×1(背部銃座(後に7.5mm機銃×2へ換装))、7.5mm機銃×6(胴体側面4、尾部2)
爆弾800kg搭載可能。(自由フランス軍所属後は背部銃座と尾部の機銃を12.7mm機銃に変更した
(背部銃座12.7mm×2、尾部12.7mm×1。胴体側面の7.5mm×4は変更せず))
主要タイプ Laté 611:グノームローヌ14Nエンジン搭載の原型機(1機)
Laté 612:P&W R-1830エンジン(1,000hp)搭載の量産型。完成せず