ラボーチキン LaGG−3戦闘機

Lavochkin LaGG-3
Лавочкин ЛаГГ-3


ソビエト赤軍

LaGG-3
LaGG−3シリーズ1

 1940年に初飛行したこの機体は、ラボーチキン[Семен Алексеевич Лавочкин]、ゴル ブノフ[Владимир Петрович Горбунов]、 グドコフ[Михаил Иванович Гудков] の3人が共同で設計開発したLaGG−1原型機が基礎となっている(ソビエト機の伝統で設計者の頭文字 を取りLaGGの名を冠した。ちなみに番号は奇数が戦闘機、偶数が攻撃機・爆撃機・輸送機などとなる)。
 しかしLaGG−1の性能は期待はずれだったため、過給器付きエンジンや3枚羽プロペラへの換装、主 翼前縁隙間翼などを盛り込んだ改修型として完成したのが、このLaGG−3である。
 当時の戦闘機としては珍しく操縦翼面以外は全木製の構造であり、乏しい軽金属資源を使わない画期的な 戦闘機であると見られたが、金属製に比べ重量過多となり同世代の戦闘機中最低の性能であったことも否め ない。だが侵攻したドイツ軍に対して大戦初期に広く使用されたLaGG−3は被弾に強い頑丈な一面を見 せ、かなりの戦果を挙げている。また大戦中には対フィンランド戦にも使用された。
 大戦中にも当機の改良は続けられており、最終型であるシリーズ66が生産ラインに乗ったのは1943 年のことで、この最終モデルは1944年中盤まで生産された。
 他のソビエト機同様作りが粗雑であるが、これはソビエトの工作技術が不足していたわけではなく、戦闘 機は消耗品であると割り切り大量生産性に重点を置いたためである。これは自国領土が戦場となったソビエ トならではの考え方であろう(パイロットは機体を捨てて脱出しても自国領土上空だから、再度戦列へ復帰 できる可能性が非常に高かった。復帰したパイロットに新しい機体を与えるためにも航空機は粗雑でも大量 生産できる機体である必要があった)。
 なおパイロット達は、鈍重な木製機を揶揄して「保証付き木製棺桶」 (”лакированный гарантированный гроб”は単語の頭 文字を並べるとLaGGになる)の愛称(蔑称?)で当機を呼んでいたと伝えられる。

機体詳細データ(LaGG−3 シリーズ35)
全長 8.90m全高 2.57m
全幅 9.80m翼面積17.50m2
自重2,620kg最大重量3,300kg
最高速度560km/h(高度5,000m)上昇限度9,600m
航続距離 650km巡航速度約500km/h
発動機クリモフ M-105PF 液冷V型12気筒 1,240馬力×1基
乗員数 1名総生産機数6,500機以上(6,528機説が有望)
武装20mm機関砲×1、12.7mm機銃×2、翼下に軽爆弾・ロケット弾を搭載可能
主要タイプ LaGG-1:原型機の呼称。当初はI-22と呼ばれた。M-105エンジン搭載
I-301:LaGG-1に構造再設計、出力強化、燃料容量増加を施した原型機
LaGG-3:I-301原型に基づく生産型。後期型では引き込み式尾輪と落下タンク採用
※細かな区分は以下のとおり(серииは「シリーズ」という意味です)
1 серии:クリモフM-105P(1,050hp)搭載。12.7mm機銃×3、7.62mm機銃×2
4 серии:クリモフM-105PA(1,050hp)搭載。20mm機関砲×1、12.7mm機関砲×2、小爆弾×6等
8 серии:4 серииの20mm機関砲を23mm機関砲に変更したモデル
11 серии:M-105PA搭載。20mm機関砲×1、12.7mm機銃×1、7.62mm機銃×2、小爆弾×6等
23 серии:操縦安定性を高めたモデル
28 серии:クリモフM-105PF(1,240hp)搭載。20mm機関砲×1、12.7mm機銃×2、小爆弾×6等
29 серии:28 серииのプロペラ換装型
34 серии:37mm機関砲を搭載した対戦車攻撃型。37mm機関砲×1、12.7mm機銃×1
35 серии:空力学的に洗練されたモデル
66 серии:最終モデル。最も空力学的に洗練され、最高速度は591km/hにまで高められた