スチンスン L−5センチネル観測機

Stinson L-5 "Sentinel"

合衆国陸軍航空軍 他

L-5B
大戦末期の沖縄で任務に従事する米陸軍L−5B患者輸送機

 スチンスン社のベストセラー軽飛行機「モデル・ジュニア」の縮小型「モデル105」をベースにした 軽観測機。民間向け「モデル10−A」(「モデル105」の搭載エンジンが異なる型)を米陸軍が審査 (このときの審査名称はYO−54)した結果、わずかに改良を施した機体をO−62の名称で発注する ことになった。この機体は後にL−5センチネルと改称され1942年から納入が開始されている。
 オーソドックスな支柱付きの高翼単葉機で、ライカミング社製の水平対向エンジンを搭載しており、グ ラスホッパーシリーズ(L−2からL−4まで の軽観測機は全部がこの愛称だったためこう呼ばれる)と共に米軍の軽観測機として活躍した。
 大戦中は米陸軍や米海兵隊で観測機・軽輸送機として多用された他、英国へもある程度の数が供与され ており、戦後も朝鮮半島(米軍)やビルマ(英軍)などの戦場で活躍した。朝鮮戦争の際、米海兵隊所属 機の中には航空母艦上から運用された機体も存在する。戦役を生き残った機体は1960年代に米空軍の 汎用連絡機やグライダー曳航機として使用された。

機体詳細データ(L−5)
全長 7.34m全高 2.41m
全幅10.36m翼面積14.40m2
自重 700kg最大重量 920kg
最高速度210km/h上昇限度4,800m
航続距離680km巡航速度144km/h
発動機ライカミング O-435-1 水平対向4気筒 185馬力×1基
乗員数2名総生産機数3,000機以上(3,590機説あり)
武装武装なし
主要タイプ Model 10-A:原型となった民間モデル。軍審査名称はYO-54
O-62:初期生産型の呼称。配備開始時点ではL-5と改称されていた(1,456機)
L-5A:電気系統を改良したL-5改修機の呼称(688機改修)
L-5B:後部胴体を改修して担架搭載設備を施した患者輸送機型(679機)
L-5C:偵察カメラを搭載可能としたモデル(200機)
L-5E:フラップ連動の補助翼を採用したモデル(558機)
L-5G:最終生産型。L-5Eに似るがO-435-11エンジン(190hp)搭載(115機)
XL-5:O-435-2エンジン評価用の機体。機体設計にも小変更あり(1機)
AT-19A:徴発した民間向けModel 105の軍呼称。後にL-9Aと改称(8機)
AT-19B:徴発した民間向けModel 10-Aの軍呼称。後にL-9Bと改称(12機)
OY-1:米海軍および海兵隊での当機呼称。装備はL-5に準ずる(L-5のうち458機)
OY-2:OY-1の装備を若干変更したモデルの呼称(OY-1のうち30機改修)
Sentinel Mk.I:英国へ供与されたL-5の英軍呼称(L-5のうち40機)
Sentinel Mk.II:英国へ供与されたL-5Bの英軍呼称(L-5Bのうち60機)
U-19A:米空軍で汎用連絡機として使用された時点での呼称
U-19B:米空軍でグライダー曳航機として使用された時点での呼称