コモンウェルズ カンガルー試作戦闘機

Commonwealth-Aircraft CA-15 "Kangaroo"

オーストラリア空軍

CA-15
オーストラリア空軍のCA−15カンガルー原型

 太平洋戦争が始まり、緒戦の日本軍による攻勢で米英軍が東南アジアから押し出される状況を 見たオーストラリア政府は、次に来るであろう日本軍のオーストラリア侵攻に対応するため、空 軍力の整備増強を図ることとした。それまで英国製のハリケーンや 米国製のバッファローといっ た旧式な戦闘機を少数保有していたが、圧倒的な数を誇る最新鋭日本軍機に対抗するには力不足で あったため、まず戦時急造型の戦闘機ブーメランを 開発し量産体制に入った。
 ブーメラン戦闘機の完成と同時に、オーストラリア軍は本格的な高性能戦闘機の開発に着手し た。この機体は当時最新の理論と技術が取り入れられ、全金属モノコック構造、層流翼、米国製 最新鋭エンジン(P&W社製R−2800)などが盛り込まれることになったのだが、最新鋭エ ンジンは米国自身が自軍の航空機に必要であるため供給不能だとして、搭載計画は見直されるこ とになった。
 そこでコモンウェルズ社では、英国の最新鋭エンジンであるRR社製グリフォンエンジンに着 目し、これを搭載することにしたのであるが、空冷エンジンであるR−2800用に設計されて いた機体を液冷エンジンのグリフォン用に改設計する(結局1から設計をやり直すことになった) ため時間がかかり、設計が完了したのは1945年2月になってのことであった。この機体は米 軍のP−51の最終型である H型に似たシルエットを持っており、高性能であることは一目瞭然だったが、原型機製作中に終 戦を迎えてしまった。
 終戦後も原型機の製作は続けられ、1946年2月に完成した唯一の原型機は翌3月に初飛行 した。予想どおりの高性能を発揮した当機だったが、登場が遅すぎたため量産化はされず、19 50年に原型機は「世界で最後に初飛行したレシプロ戦闘機」という栄誉(?)のみを残しスク ラップにされてしまった。

機体詳細データ(CA−15)
全長11.13m全高 3.71m
全幅10.97m翼面積23.49m2
自重3,420kg最大重量4,882kg
最高速度721km/h(高度8,047m)上昇限度11,887m
航続距離4,080km巡航速度592km/h
発動機ロールスロイス「グリフォン」61 液冷V型12気筒 2,035馬力×1基
乗員数 1名総生産機数 1機
武装12.7mm機銃×6(前方固定)
主要タイプ CA-15:高速戦闘機原型。量産化されず(1機)