ユンカース Ju88爆撃機

Junkers Ju88

ドイツ空軍

Ju88
Ju88C−6b(レーダー装備の夜間戦闘機型)

 1936年12月に初飛行したJu88は、ドイツ航空省の高速爆撃機製作の要求に答えて製造 された機体であるが、設計時点から多用途性を考慮されていたため大戦中には爆撃機の他にも護衛 戦闘、夜間戦闘、対地対艦攻撃、偵察、海上艦隊護衛、補給物資投下、グライダー曳航、爆撃先導、 果てはミサイル誘導母機まで多種多様の任務をこなすことになった。
 当初製造された4座爆撃機型(A型)は1,800kgの爆弾を搭載できたが燃料搭載量が少な く航続距離が短かったため、後に爆弾倉に燃料タンクを取り付け(爆弾は翼下に吊り下げるように した)燃料搭載量を増やす改造が行われている。またレーダーを装備した重夜間戦闘機型(C型、 G型)や偵察機型(D型、T型)、対戦車機型(P型)など数多くの派生型がある。また大戦末期 には「ミステル(宿り木)」無人誘導ミサイルに改造された機体も多数あった。
 第二次大戦初頭から各種任務に従事しており、それなりに優秀な能力を持っていたことからドイ ツの主力爆撃機として使用され、特に大戦中期以降 ハインケルHe111が第一 線を退いてからは、この穴を埋める活躍を見せた。

機体詳細データ(Ju88A−4/爆撃機型)
全長14.40m全高 4.85m
全幅20.00m翼面積54.50m2
自重9,860kg最大重量14,000kg
最高速度470km/h(高度5,300m)上昇限度8,200m
航続距離2,700km巡航速度300km/h台後半
発動機ユンカース「ユモ」211J-1 液冷倒立V型12気筒 1,350馬力×2基
乗員数 4名総生産機数下記参照
武装7.92mm機銃×6、爆弾最大2,000kg
機体詳細データ(Ju88G−7b/夜間戦闘機型)
全長14.50m(レーダー含まず)全高 4.85m
全幅20.00m翼面積54.50m2
自重13,120kg最大重量14,690kg
最高速度640km/h上昇限度9,100m
航続距離2,400km巡航速度400km/h台前半
発動機ユンカース「ユモ」213A-1 液冷倒立V型12気筒 1,725馬力×2基
乗員数 4名総生産機数15,000機程度(14,780機説あり)
武装20mm機銃×6、13mm機銃×1
主要タイプ Ju88V:原型機。正式にはJu88V1のように製造(計画)順に番号が付与された
Ju88A-0:4座爆撃機型の生産前機。爆弾1,800kg〜2,000kg搭載可能
Ju88A-1:最初の生産型。ユモ211B-1エンジン(1,200hp)搭載
Ju88A-2:ユモ211G-1エンジン(1,350hp)搭載。離陸補助ロケット装備可能
Ju88A-3:複操縦装置付きの転換練習機型
Ju88A-4:全幅拡大。ユモ211J-1エンジン(1,350hp)搭載。機銃増強
Ju88A-5:A-4型と同様の機体だが、エンジンはA-1型やA-2型と同じ211B-1や211G-1
Ju88A-6:A-5型の機体に対防空気球用の防護枠・ワイヤーカッターを装備
Ju88A-6/U:A-6型から気球防護枠を撤去。3座。レーダー搭載、落下タンク採用
Ju88A-7:A-5型同様の機体。ユモ211Hエンジン(1,350hp)搭載。複操縦装置付き
Ju88A-8:3座。ユモ211Fエンジン搭載。ワイヤーカッター装備
Ju88A-9:A-1型に防砂フィルターなどを装備した熱帯仕様機
Ju88A-10:A-5型に防砂フィルターなどを装備した熱帯仕様機
Ju88A-11:A-4型に防砂フィルターなどを装備した熱帯仕様機
Ju88A-12:A-4型から武装、胴体下部ゴンドラを撤去した練習機改装型
Ju88A-13:装甲強化、前方発射機銃×16の近接支援型。A-4型の改良型
Ju88A-14:A-4型改良型。前方発射の20mm機関砲を装備。対艦攻撃にも使用
Ju88A-15:3座。木製の拡大爆弾倉を装備。爆弾搭載量は3,000kgに増加
Ju88A-16:A-14型から武装を撤去した練習機改装型
Ju88A-17:航空魚雷×2を搭載可能とした雷撃機改装型
Ju88B-0:流線型風防の拡大型操縦席を持つ機体の生産前機。量産化されず
Ju88C-1:3座夜間戦闘機型。A-1型ベース。20mm機関砲×1、7.92mm機銃×3
Ju88C-2:C-1型同様の機体だが、新しい金属張り機首を装備した機体
Ju88C-3:BMW801エンジン装備。同エンジンの使用が制限されたため量産されず
Ju88C-4:A-4型ベースの新造夜間戦闘機。20mm機関砲×2、7.92mm機銃×12
Ju88C-5:BMW801D-1エンジン(1,700hp)搭載の機体
Ju88C-6:ユモ211Jエンジン搭載の夜間戦闘機型主要生産タイプ
Ju88C-6b:レーダーと新型短波無線機を装備した型
Ju88C-6c:SN-2レーダーを装備。一部の機体には斜銃(シュレーゲムジーク)を装備
Ju88C-7a:前部爆弾倉の換わりに20mm機関砲×2を装備した機体
Ju88C-7b:C-7a型の機体に外部爆弾搭載架を装備した型
Ju88C-7c:BMW801エンジン搭載。機首装備の20mm機関砲搭載モデル
Ju88D-0:4座偵察機型の生産前機。ユモ211B-1エンジン搭載。外部爆弾架は無し
Ju88D-1:D-0型と同じ装備の偵察機型生産型。生産されず
Ju88D-2:ユモ211B、211G、211Hエンジンを装備した偵察機生産型。外部爆弾架装備
Ju88D-3:D-1型に防砂フィルターなどを装備した熱帯仕様機
Ju88D-4:D-2型に防砂フィルターなどを装備した熱帯仕様機
Ju88D-5:大型カメラ3台の扇形配置装備が標準化されたモデル
Ju88G-1:4座夜間戦闘機型。C-6c型ベース。BMW801Dエンジン搭載。20mm機関砲×4
Ju88G-4:G-1型に小変更を施したモデル
Ju88G-6a:SN-2後方警戒レーダー装備。BMW801Gエンジン搭載
Ju88G-6b:操縦席風防天井に逆探知レーダーFuG350を装備した機体
Ju88G-6c:ユモ213Aエンジン(1,750hp)搭載。斜銃の位置を操縦席直後に変更
Ju88G-7:ユモ213Eエンジン搭載。羽根幅の広いプロペラを採用
Ju88G-7a:SN-2レーダーを装備した機体。傾いたアンテナが特徴
Ju88G-7b:SN-3またはFuG218レーダーを装備した機体
Ju88G-7c:FuG240レーダーを装備した機体
Ju88H-1:長胴の長距離偵察機型。3座
Ju88H-2:長胴の3座駆逐機型。20mm機関砲×6
Ju88H-3:さらに胴体を延長した長距離偵察機型。ユモ213A-12エンジン搭載
Ju88H-4:H-3型の機体に監視レーダーを落下タンクを装備した「ミステル」子機
Ju88P-1:対戦車攻撃機型。A-4型ベース。75mmPAK40砲を装備
Ju88P-2:P-1型の75mm砲の換わりに37mmBK3.7機関砲×2を装備したモデル
Ju88P-3:P-2型の装甲を強化したモデル
Ju88P-4:50mmBK5機関砲×1を装備したモデル
Ju88R-1:C-6b同様の機体だが、BMW801MTエンジン(1,600hp)を搭載したモデル
Ju88R-2:C-6b同様の機体だが、BMW801Dエンジン(1,700hp)を搭載したモデル
Ju88S-0:3座爆撃機型生産前機。曲面ガラス機首の高速機。BMW801Dエンジン搭載
Ju88S-1:BMW801Gエンジン(GM-1増力装置付)搭載。1,000kg爆弾×2を外部搭載
Ju88S-2:A-15型同様の拡大爆弾倉を装備。過給器付きBMW801Tエンジン搭載
Ju88S-3:ユモ213Aエンジン(GM-1増力装置付で2,240hp)搭載モデル
Ju88T-1:3座高速偵察機型。S-1型ベース。爆弾倉は燃料タンクに変更
Ju88T-3:T-1型同様の3座高速偵察機型。こちらはS-3型がベース