ユンカース Ju87急降下爆撃機

Junkers Ju87 "Stuka"

ドイツ空軍

Ju87
StG77(第77急降下爆撃機航空団)所属のJu87R

 1934年に出されたドイツ空軍の近接支援機製造要求にしたがって設計され、35年に試作機が初飛行 した機体はJu87Aとして37年から全面生産に着手した。この急降下爆撃機は39年の開戦時には地上 軍と連携して電撃戦の立役者として活躍した。電撃戦の成功によりドイツ空軍の対地攻撃戦術は急降下爆撃 一本槍となり、後に開発される機体すべてに急降下爆撃能力を求めるようになるなど当機の影響は非常に大 きかったと言える。
 B型やD型の一部の機体には急降下の際に威嚇用の音を出すサイレンを装着していたため、地上の連合国 兵士からは「悪魔のサイレン」「ジェリコのラッパ」として恐れられていた。しかし速度が遅かったので戦 局が悪化し制空権が確保できなくなってからは戦闘機の標的にされ、次第にその活躍の場を失っていった。
 急降下爆撃だけでなく対戦車攻撃機として爆弾のかわりに対戦車機関砲を搭載した変形機も製作され、こ の機を駆ってソ連戦車500両以上を撃破した操縦士(ハンス・ルーデル大佐/Hans-Ulrich Rudel)もいた。
 生産タイプとしては初期生産タイプのA型、再設計された改良型であるB型、エンジンを換装し兵装搭載 量を増加したD型、D型に大口径機関砲を搭載したG型、B型に増加燃料タンクをつけ航続距離を伸ばした R型が存在する。また海軍が建造を計画していた航空母艦へ搭載するため艦上型であるC型も少数が試作さ れている。
 ちなみにJu87の通称として使用される「スツーカ」という名称はドイツ語で急降下爆撃機を表すシュ トゥー・カンプ・フォルクツォイク(Sturzkampfflugzeug)を短縮した言葉である。

機体詳細データ(Ju87B−1)
全長11.50m全高 3.90m
全幅13.80m翼面積31.90m2
自重2,760kg最大重量4,400kg
最高速度383km/h上昇限度8,100m
航続距離1,200km巡航速度不明
発動機ユンカース「ユモ」211Da 液冷V型12気筒 1,200馬力×1基
乗員数 2名総生産機数下記参照
武装7.92mm機銃×3(前方固定2、後方旋回1)、
爆弾最大500kg(250kg爆弾×1、50kg爆弾×4)
機体詳細データ(Ju87D−1)
全長11.50m全高 3.90m
全幅13.80m翼面積31.90m2
自重2,810kg最大重量5,720kg
最高速度410km/h(高度3,800m)上昇限度7,300m
航続距離1,500km巡航速度300km/h程度
発動機ユンカース「ユモ」211J-1 液冷V型12気筒 1,410馬力×1基
乗員数 2名総生産機数5,709機(5,752機説あり)
武装7.92mm機銃×3(前方固定2、後方旋回1)、
爆弾最大1,800kg(1,000kg爆弾または500kg爆弾×1、50kg爆弾×4)
主要タイプ Ju87V:原型機。正式にはJu87V1のように製造(計画)順に番号が付与された
Ju87A-0:生産前機。ユモ210Caエンジン(640hp)搭載
Ju87A-1:最初の生産型。ユモ210Caエンジン搭載。500kg爆弾×1
Ju87A-2:ユモ210Daエンジン(680hp)搭載の出力強化型
Ju87B-1:ユモ211Doエンジン(1,200hp)搭載。風防・尾翼等再設計
Ju87B-2:1,000kg爆弾を搭載可能とした改良型
Ju87C-1:艦上機型計画。投棄可能降着装置や折り畳み翼、着艦フック等を装備
Ju87D-1:ユモ211J-1エンジン(1,410hp)搭載。防御装甲強化。爆弾1,800kg
Ju87D-2:D-1型にグライダー曳航用フックを装備、機体補強を施した機体
Ju87D-3:D-1型の防御装甲を更に強化した地上攻撃型
Ju87D-4:航空魚雷搭載可能とした雷撃機型の提案
Ju87D-5:投棄可能な降着装置を装備、急降下ブレーキを廃止した近接支援専用機
Ju87D-7:ユモ211Pエンジン(1,500hp)搭載。20mm機関砲×2の夜間攻撃機
Ju87D-8:D-7型から消炎装置と夜間飛行用計器を撤去した昼間攻撃機
Ju87F:全幅拡大、機体再設計、出力強化の計画機。後にJu187と改称
Ju87G-1:D-5型の翼下に37mm機関砲×2を装備した地上攻撃型
Ju87H:複操縦装置付きの複座練習機型。D型改修
Ju87R:燃料増加、落下タンク装備の長距離型。250kg爆弾×1。B-2型改良
Ju187:再設計の性能向上改良型計画。計画のみ